◎地域便り


広がるマイペース酪農交流学習会

北海道/高島 誠之

 北海道の根室支庁・釧路支庁 (通称:根釧 (こんせん) 地区) 管内は、 わが国

最大の酪農専業地域だが、 新しい価値観に立った酪農をめざす交流会が広がりを

見せている。 



 根室支庁管内別海 (べつかい) 町では5月12日 (日)、 「酪農の今・未来を考え

る」 をテーマに酪農交流学習会が開かれた。 



 毎月1回根釧地区5か所で開かれてきた 「マイペース酪農交流会」 の1年間の

総まとめで、 今年で11回目。 酪農家を中心に、 大学関係者、 農協職員、 共済獣医

師、 改良普及員、 新規就農希望者など、 約80名が参加した。 



 今までは、 マイペース型酪農への移行に伴う個々の農業の実践報告などが主だ

ったが、 今回は、 多くの人たちの農業観について語り合うことを主眼に、 昼食時

には自分たちの手で作ったチーズやパン、 ポトフ、 ベーコン、 ソーセージ、 ヨー

グルトなどを持ち寄って、 1時間半以上の長い時間をかけて、 参加者同志の交流

を深めた。 



 マイペース酪農は、 次のような農業観に立脚してゆとりとうるおいのある酪農

を築くよう、 交流の場を通じてさらに広がりをみせるものと期待されている。 



(1)社会情勢などに振り回されないで、 自主的・主体的につくる農業



(2)自然風土に根ざした、 合理的な農業



(3)農場の中で、 物質循環が可能になる農業



(4)余分なエネルギーを省き、 生産構造を簡素化した農業



(5)その家族にマッチした、 人間性豊かな文化を創造する農業




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