◎地域便り


和牛農家が有機自然乾燥米生産

岩手県/横島 克廣

 岩手県のJA金ヶ崎町は、 今年産米から和牛を飼育する農家に限定して、 「登録

制自然乾燥米」 の栽培に取り組んでいる。 金ヶ崎町は良質米生産地である胆江 

(たんこう) 地域 (北上川流域) にあり、 また 「陸中牛」 のブランドで知られる

和牛産地でもある。 



 和牛農家では、 稲ワラを飼料や敷きワラに使うため必ず稲を棒架けして自然乾

燥しており、 また副産物とて発生するたい肥は完熟後、 水田に還元している。 



 今回の取り組みは、 消費者から求められている有機自然乾燥米を和牛農家自ら

が生産することで 「コメを消費者に保証しコメの有利販売」 につなげ、 同時に、 

和牛農家の減少傾向に歯止めをかけようと、 一石二鳥を狙ったものである。 



 同JA管内の和牛農家は約400戸あるが、 その内320戸ほどが対象農家となる。 約

3万5千俵 (1俵60kg) を生産し、 千葉生協や埼玉のスーパー等に供給する計画

である。 



 栽培基準は(1)ひとめぼれを主体にあきたこまち、 ササニシキの3品種(2)完熟

たい肥を10アール当たり1.5トン施用(3)土壌改良材10アール当たり100kg施用(4)

食味を考えた追肥(5)農薬散布は3回以内(6)適期刈り取り(7)棒架け乾燥(8)一定

の大きさ以上の粒のみの選別 (選別網目1.9ミリ) 以上 ―― などとしている。 



 さらに、 倉庫を指定して集荷し、 食味についても分析し、 高品質・安全・安心

な 「1等米」 を生産・供給する計画である。




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