◎地域便り


畜産ヘルパー事業の展開

群馬県/福島 実

 昭和54年、 群馬県で最初の酪農ヘルパー組合が赤城酪連で発足した。 その後、 

数組合で活動が始まったが、 平成3年に 「酪農ヘルパー円滑化基金造成事業」 を

活用し、 任意団体酪農ヘルパー協会が設立された。 



 農業全体の抱える大きな問題として、 後継者の確保をどうするかがあげられる。 

そこで、 平成5年に県単事業の 「畜産経営活性化基金事業」 により、 酪農だけで

なく肉牛、 養豚、 養鶏等のヘルパー制度を確立することになり、 平成5年12月に

酪農ヘルパー協会と統合した形で社団法人群馬県畜産ヘルパー協会が設立された。 



 群馬県の酪農ヘルパー利用組合は11組合が組織化されているが、 その活動体系

は定期型と併用型の2種類になっている。 組合の事務局は酪連、 農協等の中にあ

り、 生産者団体から助成援助などのバックアップを受けて運営している。 畜産ヘ

ルパー利用組合は現在6組合であるが、 酪農主体のため、 今後も新しい利用組合

を設立するために努力している。 



 社団法人になってからは、 ヘルパーの数、 質とも向上し、 現在専任ヘルパー52

名、 臨時ヘルパー28名となっている。 中でも女性ヘルパーの進出が目立ってきて

いる。 



 実際には酪農家が利用する日は月平均2日程度とまだ少ないが、 今後は利用料

金の割引、 ヘルパーの技術向上等のサービスを充実し、 利用率が向上するよう努

力している。 



 今後畜産ヘルパー事業を推進していくには、 加盟農家数を増やすことはもちろ

んだが、 大規模経営になればなるほど、 ヘルパー制度より自己完結型の常時雇用

等の形態になっていく傾向がある。 これらに対応するためにも、 酪農ヘルパーの

身分保障や飼養管理技術の向上等積極的な施策展開が望まれている。




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