◎地域便り


消費者との交流を狙った乳牛オーナー制への取り組み

鳥取県/山崎 和夫

 鳥取県西南部、 日野郡日南町の西尾篤あつ郎ろうさん (38歳) は消費者との交

流を狙い、 乳牛のオーナー制に取り組んでいる。 飼養規模は51頭 (経産牛37頭、 

育成牛など14頭) で、 そのうち10頭 (経産牛7頭、 育成牛3頭) がオーナー制の

乳牛である。 



 今のところ、 オーナーは4人、 町内の商店主、 豆腐屋、 野菜農家と町外の看護

婦さんである。 



 西尾さんはかねてから、 自然の景観に恵まれている自分の牧場に多くの人々が

遊びに来てくれるよう希望してきた。 牧場で乳牛に親しみ、 酪農を少しでも理解

してもらうことで牛乳の消費拡大につながればと乳牛のオーナー制を取り入れる

ことになった。 



 オーナー牛の選定には3通りある。 



1. 当牧場初生牛購入型 オーナーは生後1カ月以内の子牛を時価 (約5万円) 

  で購入、 その牛が初産分娩するまでの育成費等を含む諸経費を納入、 牛乳出荷

  後配当金をもらう。 



2. 当牧場初妊牛購入型 オーナーは妊娠8〜9カ月の牛を時価 (約40万円)で

  購入し諸経費を納入。 初産分べん後から1と同様配当金をもらう。 



3. 導入初妊牛購入型 オーナーの希望により当牧場が組合等に委託して県外

  から導入 (約45万円)、 牛乳出荷後の配当は1と同様である。 



 諸経費には育成費12,000〜15,000円、 家畜共済加入金 (年1回)、 人工授精費 

(時価)、 共進会出品費 (1回1万円) 等が含まれオーナーから徴収している。 



 また、 オーナーに対しては購入に際して血統登録書を渡している。 



 配当金は毎月支払っているが、 その算出方法は次のとおり。 



 牛群検定乳量1月分×当場乳価×20%−諸経費=配当金



 オーナーとのコミュニケーションを深めるため、 牛の誕生日には大山乳業農協

特製のバースデーケーキを配布している。  



  オーナーは子供を連れてしばしば牧場を訪れ、 牛の顔もよく知り、 ふれあいを

深めており西尾さんの狙いどおりだ。 今後はオーナーの輪が生産者、 消費者双方

に広がることで、 町の活性化が図られるものと期待されている。




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