◎地域便り


魔法?の水で夏バテ知らず

愛媛県/戒能 豪

 泉牧場は愛媛県中予地域の中山間に位置しており、 経営主の泉一光氏 (50歳) 

は、 地域の酪農ヘルパー組合長 (会員:20名) を務める中堅酪農家である。 



 現在、 泉さんは、 約90頭 (成牛50頭) の乳牛を、 奥さんとパートの女性の3人

で世話をしており、 平均乳量9,200kgを達成している。 



 周辺地域は、 野菜、 スイカ、 栗、 タケノコ等の生産が盛んな地域であることか

ら、 たい肥は完熟を待たず、 これらの農家に2週間以内に持ち帰られる。 



 ところが、 このたい肥に悪臭がしなくなったと耕種農家の間で大変好評になっ

ており、 近所の農家からも臭いが流れて来なくなったと喜ばれているそうである。 

泉さんはその理由が、 牛に飲ませている 「水」 によるものだと説明をしている。 

これは、 平成6年6月にセラミック球による水処理装置を設置したことに始まる。 

その原理は、 特殊な鉱物で作ったセラミックが放射する遠赤外線が元の水を活性

化するためで、 原水に住む大腸菌等の細菌もいなくなるらしい。 



 近年、 この様なセラミックを利用した製品が数多く市販され、 「ご飯が美味し

く炊ける」、 「揚げ物の油が長持ちする」 など、 その応用は極めて広範囲である。 



 ところで、 泉牧場を訪れて子牛がたくさん生まれていることに気が付いた。 こ

れは、 昨年の夏場の種付けが順調であった証拠である。 ご承知のとおり愛媛県に

おいては、 2年続きの異常な猛暑と渇水で多くの畜産農家が家畜の夏バテに苦労

をした。 その影響で、 多くの酪農家では順調な種付けが出来ず、 この季節に子牛

の出産が少ない。 ところが、 周囲の酪農家が乳牛の夏バテで苦しむ中、 泉牧場の

牛は夏バテをせず順調に妊娠をしたそうで、 これも泉牧場の 「水」 のお蔭だと泉

さんは力説している。 



 今後、 セラミックの効果の是非について科学的な証明がなされてくるのであろ

うが、 今年も泉牧場の牛達が元気で夏を乗り切ることを、 また今後、 この不思議

な水が酪農家を始め多くの農業関係者に夢と活力を与えてくれることを期待した

い。




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