◎地域便り


生ごみも同時処理する国富町クリーンセンター

宮崎県/細田 広見

 宮崎県国富町にあるクリーンセンターは、 畜産環境整備事業によって造られ、 

平成8年5月でしゅん工後11年を経過したたい肥化処理施設である。 



 本地域の畜産は、 都市化の進展する中で、 畜産農家戸数は漸次減少しているも

のの、 規模拡大が進み、 増頭羽傾向にある。 このことが家畜ふん尿の処理量の増

大につながり、 個人の農地だけでは、 還元することが難しくなっている。 



 こうした中、 問題解決のため、 地域的視点に立った、 有機質肥料製造施設の建

設をすることとなった。 



 センターには職員が1名、 委託職員が5名おり、 総面積6,406平方メートル、1

日当たりの処理能力は24.6トン、 原料投入からたい肥が出来上がるまでは34日必

要で、 町内の家畜排泄物や生ゴミを処理している。 耕種農家の利用を考え、 金具

類の混入を防ぐため設けられた、 ふるい機、 磁選機を通って製品化されたたい肥

は、 バラが8,240円/トン、 袋詰め255円/15kgで原則として町民のみに販売して

いる。 



 通常、 ごみ焼却場でゴミを処理する場合、 生ゴミは水分を多く含んでいるので、 

燃焼に時間を要し、 焼却処理コストが増大する問題があった。 しかし、 たい肥化

施設で扱う家畜排泄物には、 畜舎の敷料として使われた水分含量の低いおがくず

が大半を占めているため、 生ゴミが水分の補給源となって、 良質のたい肥づくり

に貢献しているのである。 



 現在では、 均一・良質な製品のため耕種農家の評価が高く、 需要と供給のバラ

ンスがとれ、 計画的に処理が行われている。 また、 野積みなどが行われなくなる

ため、 畜産公害などの苦情も少なくなってきている。 



 本町においては、 住民の期待に応え、 町の基幹産業である農畜産業を発展させ

るため、 前向きな取り組みがされている。




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