◎地域便り


設立が進む酪農ヘルパー利用組合

北海道/川田 武

 北海道上川支庁管内音威子府 (おといねっぷ) 村の酪農ヘルパー利用組合設立

総会が4月13日公民館で開催された。 同組合の発足で、 上川支庁管内の塩狩峠以

北の和寒町から中川町までの10市町村すべてに酪農ヘルパー制度ができたことに

なる。 



 音威子府村は、 酪農家20戸 (専業農家率65%) で乳牛1,290頭を飼養し、 一戸

あたりの飼養頭数も比較的多い。 そのため、 労働時間が長いなど労働条件の厳し

さが浮き彫りとなり、 次代の担い手確保が困難になることが懸念されていた。 



 同村は近隣町村に比べ酪農家戸数が少なく、 この制度を発足させても採算面等

の問題で、 これまで実現できなかった経緯がある。 約1年がかりで設立準備委員

会が結成され、 役場や農協などに必要性を働きかけてきた。 また、 先進地域の現

状調査も行い、 今日の酪農ヘルパー組織の特徴は緊急対応型と異なり、 休養・休

暇・ゆとり創出型ヘルパー組織が圧倒的に多いという実態も明らかになった。 



 その結果、 戸数は少ないが酪農しか生きる道がないこの地域の産業振興策とし

て、 役場が予算措置を決め、 加入した17戸の組合員の利用料と村の補助金でヘル

パー2名体制で発足することとなった。 



 待望のヘルパー制度が意欲的な酪農家の手で発足したことで関係者は、 酪農経

営の労働時間が短縮され、 ゆとりある経営が展開されることを大きく期待してい

る。




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