◎地域便り


短角牛の産直事業の継続を目指して

岩手県/新渡戸 友次

 北上山系の中心に位置する岩手県川井村は、 広大な山野を活用して夏山冬里方

式で飼養する日本短角種の主産地であり、 山間農業の基幹作目として重要な役割

を果たしている。 



 同村では短角牛生産の安定及び消費の拡大を図るため、 昭和61年度から国の肉

用牛振興緑基金パイロット事業を活用し、 首都圏の生協との産直事業を進めてき

た。  



  しかし、 牛肉の輸入自由化の影響を受け、 産直事業も苦しい状況におかれた。 

また、 緑基金パイロット事業も今年度で終了することから産直の継続が危ぶまれ

たが、 産地と生協、 両者の話し合いの結果、 生協サイドの理解と産地の熱意

により継続されることとなった。 



 産直出荷のより一層の安定を図るため、 同村は平成8年8月に短角牛の一貫生

産をサポートする川井肉牛振興公社 (仮称) を設立するとともに、 生協は取扱店

を拡大するなど、 生産者と生協の連携プレーで産直体制の強化を進める。 



 産直事業の継続にあたっては、 産地と産直先は、 お互いの立場、 状況を理解し

合い、 産地は産直先を支え、 産直先は産地を支える本来の産直事業の構築が望ま

れている。




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