◎地域便り


標高1,300mの育成牧場に 「新乳生」 入学

群馬県/岸 利男

 浅間山の東麓、 標高1,300mの群馬県浅間家畜育成牧場にやっと春が来た。 今年

はウグイスの初鳴きが例年に比べ8日ほど遅れて、 なかなか春の気配が見られず

草の生育の遅れも心配されたが、 5月9日と22日の2回に分けて乳用育成牛の入

牧が行われた。 



 当牧場は面積800haで、 県内酪農家から受託牛として毎年480頭を受け入れてい

る。 内訳は夏期放牧のみ (5〜10月) が90頭、 夏期に人工授精するもの90頭と、 

越冬し人工授精をし、 分娩3カ月前まで放牧する年間牛が300頭となっている。 



 入牧牛は受付で適否検査を済ませ、 首から番号のタッグをぶら下げ、 体重測定、 

衛生処置を行った後、 予備草地へ放される。 ここでは入牧日には草地へ出さずに、 

翌日から草地に慣らしながら放牧していく手法をとっている。 この処置は、 牛を

落ちつかせる効果があるようだ。 



 また、 入牧が終わると昨年預けられた育成牛を退牧させる仕組みになっている。 

その間のDG (一日当たりの増体重) は0.62kg/日 (昨年2回の退牧牛125頭の平

均値) であった。 



 これは私たちの目標としていた数字以上であり、 厳冬期 (最低気温−17℃) で

も牧場職員が一丸となって管理した結果と自負している。 退牧牛125頭のうち受

胎確認をしたのは99%であり、 これも目標にきわめて近い数字であった。 



 今年の入牧日にはいずれも雨が降り、 肌寒く感じられたが、 その後は晴れた日

が多く、 草も順調に伸び、 入牧牛の初期管理も平穏に進んでいる。 この浅間山麓

で足腰を鍛えた乳牛が正常に分娩し、 県内各地で次世代を担う子牛を続々と生ん

でいくことを希望している。



【草を食む新乳生たち】




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