◎地域便り


消臭剤配布でクリーン大作戦

鹿児島県/内山 正二

 家畜ふん尿の悪臭に悩む鹿児島県鹿かの屋や市では、 平成8年度から畜産農家

へ消臭剤を配布し、 臭いをモトから断つ作戦を開始した。 



 鹿屋市では市街地を挟む鹿屋原台地と笠野原台地に大型の豚舎や鶏舎、 牛舎が

集中していることや、 住宅地域が郊外に拡大してきていることにより、 悪臭を主

とする環境問題が住民の大きな関心事となってきている。 



 このため鹿屋市では、 将来にわたって畜産業と周辺住民が共存できるよう、 ふ

ん尿処理施設の整備と併せ、 消臭剤の配布による徹底的な悪臭対策に乗り出した。  



 平成6年度に、 消臭効果があると思われる市販の消臭剤や菌製剤9種類を用い

て15戸の農家で実証試験を行った結果、 効果とコストの面から木酢液と菌製剤1

種類の2種類を選定した。 



 さらに8年度には、 2,700万円を予算計上し、 市内の全養豚農家131戸、 酪農家

48戸、 養鶏農家15戸などに配布する計画である。 具体的には、 木酢液76,000リッ

トル、 菌製剤1,200リットルを年4回に分けて無料で配布する。 受け取った農家

は、 これを希釈 (木酢液は50〜60倍、 菌製剤は250倍) し、 噴霧器などで畜舎や

たい肥舎、 浄化槽、 排水溝など臭いの発生源に散布してもらう予定である。 梅雨

期の対策が急がれるため、 第1回目の配布が5月下旬に実施された。 



 このクリーン作戦が成功するかどうかは、 受け取った農家の行動・実行がカギ

となっており、 散布指導にも力を入れている。 今回の作戦がさわやかで美しい鹿

屋市のイメージアップにつながればと、 関係者をはじめ住民は大きな期待を寄せ

ている。




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