◎地域便り
鹿児島黒牛オーナーらの試食会が大好評
鹿児島県/本山 夕紀子
鹿児島県国分市の有志37人がオーナーとなって預託肥育した和牛の試食会が、
5月11日同市の下井海岸であり、 オーナーと家族ら120名が最高級の鹿児島黒牛
の味に舌鼓を打った。
市役所や農協などの職員で作るオーナー会 (世話役;国分市農政課職員 西川
満さん) は4年前に一人2万円の出資で発足し、 今回の試食会は平成6年度に続
いて2回目となる。
平成6年6月に姶あい良ら郡中央家畜市場で国分市産の去勢子牛を278千円で
購入し、 市内で肥育と園芸の複合経営を営む窪田豊さんに預託料25万円で約23カ
月肥育してもらった。 購入時に288kgであった体重は733kgまで順調に仕上がり、
枝肉重量454kg (精肉としては258kg)、 肉質の等級はA−4と市場価格にするとキ
ロ2,000円程度の上質の肉に育った。
この日は、 炭火で焼いた肉を塩こしょうで食べたり、 生で試食する人もおり、
日頃なかなか味わえない安全でおいしい鹿児島黒牛を心ゆくまでたんのうした。
「やはり和牛はうまい」 「家で食べる肉よりずっとおいしい」 などの声が聞かれ、
家計を預かるお母さんを心配させていた。 また、 各オーナーには5kg程度の肉が
お土産になるなど大好評であった。
国分市では、 育成牛で50万円、 肥育素牛で30万円を限度に家畜導入資金に対す
る利子補給 (無利子) を行うなど畜産振興に力を入れているが、 担い手の高齢化
や後継者不足などにより年々飼養頭数が減少しており、 世話役の西川さんは、 市
内産の和牛肉のおいしさをアピールすることが少しでも農家の励みになればと期
待している。
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