◎地域便り
豚精液の宅配販売
群馬県 ■ (もたい) 弘
豚の各種疾病等が種豚の円滑な流通を阻害し、 血液更新の遅れから種豚の能力
の低下が問題視されている。 また、 最近の養豚経営の大型化に伴い、 労働力不足
に拍車がかかった状況にある。 このような中にあって、 人工授精用精液の引き取
り時間のロスをなくすことが可能な 「精液の宅配サービス」 に期待がかけられて
いる。
群馬県畜産試験場では農家の協力を得て精液の宅配について次の事項を検討し
た。
1) 宅配容器と保冷物質、 2) 精液の保存液、 3) 宅配業者の温度管理、 4) 配送
後の精液性状と保存性、 5) 受胎率と産子数等。
この結果、 現在使用している精液保存液でも15℃に保存できれば輸送中の精液
の活力保持等には問題がなく、 受胎成績も良好であった。
このことから、 平成8年度から人工授精用精液の宅配を実施する運びとなった。
利用者 (生産者) は到着希望日の前々日の午後5時までに申し込み、 発砲スチ
ロール性容器を二重包装して宅配便発送日の翌日には到着することになっている。
火曜日到着希望の場合は、 前週の金曜日午後5時までの申し込みとしている。
また、 精液代金、 宅配料金については、 できる限り安くするとともに簡便な納
入方式を検討している。
今後は宅配サービスの実施により、 人工授精の活発化による豚の改良推進と労
働力低減等を実現していきたいと考えている。
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