● 3月の生乳生産量
前年同月をわずかに上回る
3月の生乳生産量は74万6千529トン (2. 7%) と9月以降、 前年同月を上回
って推移している。 7年度の累計は846万7千702トン (1. 0%) となった (図1)。
3月の生産量を地域別に見ると北海道が2. 0%、 都府県が3. 1%といずれも前年
同月を上回った。 なお、 1日当たりの生乳生産量の推移を季節調整済み値でみる
と、 7年春以降、 増加している。
牛群検定 ((社) 家畜改良事業団) の結果から、 北海道、 都府県の1頭1日当
たりの平均泌乳量をみると、 夏場は暑さから都府県の泌乳量が低下するが、 冬場
はあまり差がみられず、 3月には北海道が26. 2kg (0. 8%)、 都府県が26. 1kg
(3. 2%) となった。 なお、 都府県は4月も26. 1kg (2. 8%) となっている (速
報値、 図2)。
● 3月の飲用向け処理量
前年同月並み
3月の飲用牛乳等向け処理量は、 41万4千533トン (▲0. 1%) と前年同月並
みとなった (図3)。 7年度累計では515万2千564トン (▲2. 1%) と前年をわ
ずかに下回っている。
1日当たりの処理量の推移を季節調整済み値でみると、 7年夏以降、 ゆるやか
に増加している。
3月の生産量を品目別にみると、 はっ酵乳は7年5月以降前年同月を上回り、
好調に推移しているほか、 加工乳、 乳飲料も前年同月を上回ったが、 牛乳、 乳酸
菌飲料は前年同月を下回った (牛乳▲1. 0%、 加工乳1. 7%、 乳飲料1. 3%、 は
っ酵乳11. 5%、 乳酸菌飲料▲0. 2%、 図4)。
● 3月の乳製品向け処理量
前年同月をかなり上回る
3月の乳製品向け処理量は、 生乳生産量が前年同月を上回り、 飲用牛乳等向け
処理量が前年同月並みであったことから、 32万2千2トン (7. 0%) となった
(図5)。
7年度累計でみると、 318万6千504トン (6. 8%) と前年をかなりの程度上回
った。
1日当たりの処理量の推移を季節調整済み値でみると、 6年夏を底にゆるやか
に増加している。
● 3月の脱脂粉乳
生産量は前年同月並み
脱脂粉乳の生産量は、 7月以降、 前年同月を大きく上回って推移していたが、
3月は1万8千611トン (0. 1%) と前年同月並みとなった。
推定出回り量は1万9千600トン (▲3. 1%) と前年同月をやや下回った。
3月の推定期末在庫量は、 3万8千トン (11. 1%) と、 8月以降、 非常に低
い水準であった前年同月をかなり大きく上回っている (図6)。
大口需要者価格は、 生産量の増加、 4月のカレントアクセス分の輸入脱脂粉乳
の売渡の見込み等から需給のひっ迫感がやや薄れ、 2月より4円値を下げ1万3
千554円/25kg (0. 1%) となった。 これは、 安定指標価格を5. 6%上回ってい
る (図7)。
なお、 事業団による売渡入札は4月18日に実施され、 合計4千261トンが落札
された。
● 3月のバター
生産量は前年同月並み
3月のバターの生産量は、 8千227トン (▲0. 1%) と前年同月並みとなった。
推定出回り量は8千400トン (11. 7%) と前年同月をかなり大きく上回った。
6年夏以降、 減少傾向で推移してきた推定期末在庫量は、 7年12月を底に若干
積み増しとなったものの、 3月は2万9千700トン (▲22. 9%) と前年同月を大
幅に下回った (図8)。
大口需要者価格は、 947円/kg (▲0. 3%) と2月と同水準で、 安定指標価格
を4. 6%下回った (図9)。
未経産牛が減少
農林水産省が発表した 「畜産統計 (平成8年2月現在)」 によると、 乳牛の飼
養頭数は192万7千頭 (▲1. 2%) とわずかに前年同月を下回り、 5年以降、 減
少傾向が続いている。 内訳をみると、 経産牛は前年並みの121万1千頭 (▲0. 2
%) であったものの、 未経産牛は交雑種の生産増加に伴う搾乳向けのめす子牛の
減少などから、 71万6千頭 (▲3. 1%) となっている。 また、 飼養戸数は4万1
千600戸 (▲6. 1%) と前年をかなりの程度下回った。 この結果、 1戸当たりの
飼養頭数は46. 3頭 (5. 2%) と引き続き、 増加傾向にあり規模拡大が着実に進
んでいる。
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