鶏 肉

鶏 肉


● 3月の生産量

前年同月をわずかに下回る  3月の生産量は、 1羽当たりと体重量が減少していること、 2カ月前のひなえ 付け羽数が前年同月を下回ったことなどから、 10万5千249トン (▲2. 7%) と なった (図1)。  3月のブロイラーひなえ付け羽数は5千405万羽 (▲3. 7%) となった。  主要3県 (岩手、 宮崎、 鹿児島) の3月のひなえ付け羽数は、 岩手が878万羽 (2. 8%) と前年同月を上回る。 一方、 宮崎869万羽 (▲4. 7%)、 鹿児島968万羽 (▲7. 3%) と前年同月を下回った。  農林水産省統計情報部は、 ブロイラー用ひなえ付け羽数について、 前年同月と 比べて、 4月98%、 5月99%、 6月101%と見ている (4月上旬聞き取り)。
◇図1:鶏肉の生産量◇

● 3月の輸入量

前年同月を大幅に下回る  3月の輸入量は、 3万4千964トン (▲18. 6%) となった (図2)。  国別に見ると、 米国産が6千808トン (▲16. 9%)、 タイ産が6千583トン (▲ 29. 7%) となった。 飼料価格の高騰等から原地の生産コストが上昇しているこ とに加え、 円安も影響し、 前年同月を大幅に下回っている。 中国産は前月とほぼ 同じ1万1千413トンであったが、 前年同月が高水準であったことから、 前年を 25. 5%も下回った。 一方、 ブラジル産は9千876トン (2. 6%) となり、 年度累 計でも9万7千144トン (21. 6%) と前年度を大幅に上回っている。
◇図2:鶏肉の輸入量◇

● 3月の推定出回り量

前年同月をわずかに上回る  3月の推定出回り量は、 14万6千240トン (1. 3%) となった (図3)。 国産品 は10万4千823トン (▲2. 4%) と4カ月連続で前年を下回ったが、 輸入品は4 万1千47トン (12. 2%) と、 前月に引き続き前年をかなり大きく上回っている。
◇図3:鶏肉の推定出回り量◇

● 3月の推定期末在庫量

輸入品は減少傾向  3月の推定期末在庫量は、 10万2千886トン (10. 8%) となった (図4)。 輸 入品は9万78トン (12. 2%) と前年同月を上回っているものの、 昨年10月の11 万484トンをピークに減少してきている。 国産品は1万2千808トン (1. 5%) と なった。
◇図4:鶏肉の推定期末在庫量◇

● 3月の国産鶏肉の卸売価格

もも肉、 むね肉ともに前年同月を上回る  3月の国産もも肉の卸売価格 (東京・平均) は、 605円/kg (17. 5%) と前月 に比べ44円値を下げたものの、 引き続き前年同月を大幅に上回っている。 むね肉 は前月と同価格で266円/kg (1. 1%) となった。 むね肉は長い間、 前年同月を 下回って推移していたが、 2月に引き続き前年同月を上回った (図5)。  4月に入ってからも、 むね肉は強含みで推移しており、 4月末には、320円/kg となった。 もも肉は624円/kgとなっている (東京・中値 「畜産物市況速報」)。
◇図5:鶏肉の卸売価格◇

● 3月の輸入鶏肉の卸売価格

中国産もも肉が前月を75円下回る  3月の輸入鶏肉の卸売価格は、 中国産もも肉が前月より75円下げ、 305円/kg (▲12. 9%) となった。 タイ産もも肉は385円/kg (▲0. 3%)、 米国産骨付きも も肉は269円/kg (3. 1%) と前年同月を上回っている (図6)。  4月の価格は、 中国産もも肉が310円/kg (▲13. 9%)、 タイ産もも肉が385 円/kg (▲0. 4%)、 米国産骨付きもも肉は269円/kg (2. 4%) であった。
◇図6:輸入鶏肉の卸売価格◇

今月のトピックス
もも肉とむね肉の卸売価格の差が縮小
 昨年末から今年の1月にかけて急騰したもも肉と、 弱含みで推移したむね肉と の価格差は388円/kg (東京・中値) にも広がったが、 最近は縮小してきている。  この要因としては、 高水準であったもも肉が下がってきている一方、 価格が低 いことからむね肉が見直され、 加工向け需要が増えたこと、 量販店の取り扱いが 増えたことなどが挙げられる。
◇図:もも肉とむね肉の卸売価格◇

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