● 9月の生産量
前年同月をやや下回る
9月の国内生産は、 母豚の飼養頭数の減少などから、 と畜頭数が135万1千頭
(▲3.6%) となった。 生産量も、 と畜頭数の減少を受け、 6万9千976トン (▲3.
2%、 図1) であった。
平均枝肉重量 (全国平均) は、 74.0kg (0.5%、 図2) となった。
● 9月の輸入量
SG発動で、 前年同月の半分以下
9月の輸入量は、 7月から発動されたセーフガード (SG) のため、 全体で2万
8千218トン (▲39.1%、 図3) と前月に引き続き低い水準が続いている。
冷凍品は、 6月までに、 SGの発動を見越した在庫手当てが済んでいることなど
から、 1万4千763トン (▲52.4%) と前月に引き続き大きく減少した。 これは、
昨年11月のSG発動後の動きと同様である (図4)。 一方、 冷蔵品は、 毎月一定量
の需要があることから、 1万3千455トン (▲12.2%) と冷凍品ほどの減少には
なっていない。
国別にみると、 米国産は、 冷凍品・冷蔵品とも前年同月を大幅に下回り (それ
ぞれ、 ▲39.0%、 ▲27.7%) 、 合計では、 7,469トン (▲31.4) となった (図5)。
一方、 台湾産は、 冷凍品が同▲48.0%と大きく下回ったが、 冷蔵品は同▲2.6%
とわずかな減少にとどまり、 合計では、 14,480トン (▲32.7%) となった。
この他、 加工向け冷凍品が主体のデンマーク産は、 337トン (▲95.6%) と引
き続き大きく減少、 カナダ産は、 1,246トン (▲55.5%) となった。
● 9月の推定出回り量
前年同月をわずかに上回る
9月の推定出回り量は、 12万4千729トン (1.9%、 図6) となった。
国産品が7万477トン (▲4.9%) と前年同月を下回り、 輸入品が5万4千252
トン (12.4%) と前年同月をかなり上回っている。
8月の家計購入量 (1人当たり) は382グラム (4.2%) と、 O−157の影響等に
よる牛肉の購入量の減少とは逆に、 前年同月を上回った。 加工仕向肉量は、 3万
1千560トン (▲7.3%) となった。
● 9月の期末在庫量
輸入品は依然高水準、 国産品も増える
9月の推定期末在庫量は、 22万6千506トン (131.3%、 図7) となった。
国産品は、 1万7千150トン (43.1%) と前年同月を大きく上回った。 在庫は、
「うで」 「もも」 などのすそものが中心とみられ、 年末向け在庫確保の動きなどが
原因とみられる。
一方、 輸入品は、 SG発動前に輸入された在庫が積み上がっているため、 20万9
千356トン (143.6%) と、 依然、 高水準にある。 これも、 昨年11月のSG発動前後
の動きと同様である。
● 9月の国産枝肉価格
前年同月を上回る
9月の卸売価格 (東京市場・省令) は、 498円/kg (6.9%) となった (図8)。
これは、 生産量が減少傾向にある中で、 SG発動による輸入量の減少や牛肉から豚
肉へ一部需要が移行したこと等が要因とみられる。
10月の卸売価格 (速報値) は、 出荷頭数の増加等から、 月末にかけて値を下げ、
一時的には400円を割ったが、 月平均では421円/kg (6.3%) となった。
● 9月の輸入豚肉仲間相場
ヒレ肉は依然好調
9月の輸入豚肉冷蔵品の仲間相場は、 輸入量の減少等から、 依然、 前年同月を
上回り、 総じて堅調であった。
「ロース」 は、 米国産が、 851円/kg (13.1%、 図9) となり前月より5円値
を下げたものの、 台湾産は、 944円/kg (6.1%) と前月より17円値を上げた。
「ヒレ」 は、 米国産・台湾産ともに前年同月を大幅に上回り、 前月よりも、 そ
れぞれ25円、 38円値を上げた。
冷凍品は、 「ロース」 「ヒレ」 が、 依然前年同月を上回る一方、 それ以外は、 台
湾産 「もも」 が、 523円/kg (▲2.8%、 図10)、 デンマーク産 「ばら」 は、 596円
/kg (▲9.2%) など前年同月を下回る品目が多かった。
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