● 9月の生乳生産量
前年同月をわずかに上回る
9月の生乳生産量は69万9千500トン (2.4%) となり、 7年9月以降、 一貫し
て前年同月を上回って推移している (図1)。 地域別にみると北海道が1.2%増、
都府県が3.4%増といずれも前年同月を上回った。
牛群検定 ((社)家畜改良事業団) の結果から、 1頭1日当たりの平均泌乳量を
みると、 9月は北海道が26.3kg (0.0%)、 都府県が25.4kg (2.0%) となってい
る。
なお、 都府県の10月は25.6kg (1.6%) である (速報値、 図2)。
● 9月の飲用向け処理量
前年同月をわずかに下回る
9月の飲用牛乳等向け処理量をみると、 45万4千493トン (▲0.5%) と前年同
月をわずかに下回った (図3)。
生産量を品目別にみると、 はっ酵乳や栄養強化タイプが人気の乳飲料は、 消費
者の健康志向を背景に前年同月をかなり上回り、 好調に推移しているほか、 加工
乳、 乳酸菌飲料も前年同月を上回った。 一方、 牛乳は天候要因等から前年同月を
下回った (牛乳▲2.7%、 加工乳2.9%、 乳飲料17.0%、 はっ酵乳9.2%、 乳酸菌
飲料1.5%、 図4)。
● 9月の乳製品向け処理量
前年同月をかなりの程度上回る
9月の乳製品向け処理量は、 生乳生産量が前年同月をわずかに上回った一方で、
飲用牛乳等向け処理量が前年同月をわずかに下回ったことから、 23万5千515ト
ン (9.5%) となった (図5)。
品目別に見ると、 生クリーム等需要拡大事業の効果等から、 クリームの生産量
は7年11月以降、 前年同月を上回って推移しており、 9月も同25.8%増の5千39
0トンとなっている。
● 9月の脱脂粉乳
生産量は前年同月をやや上回る
9月の脱脂粉乳の生産量は、 1万3千151トン (3.9%) となった。
9月の推定出回り量は1万7千700トン (▲5.1%) となった。
推定期末在庫量は、 9月が3万5千600トンと、 前月より4千500トン取り崩さ
れ、 前年同月を22.7%下回った (図6)。
大口需要者価格は、 7年7月をピークに小刻みに値を下げてきたが、 9月は8
月に続いて1万3千519円/25kg (▲0.4%) と、 安定指標価格を5.3%上回って
いる (図7)。
なお、 事業団による追加輸入分の第1回売渡入札は、 10月22日に実施され、 6
千60トンが落札された。
● 9月のバター
価格は8月より3円上げ
9月のバターの生産量は、 5千192トン (8.8%) となった。
9月の推定出回り量は6千300トン (▲15.3%) となった。
9月の推定期末在庫量は、 2万9千700トン (▲12.8%) となった (図8)。 月
々の動きをみると、 7年12月の2万5千900トンを底に若干積み増しされた後は、
2万9千トンから3万1千トン台で推移してきたが、 在庫は徐々に減少しつつあ
る。
大口需要者価格は、 6年秋より底保合で推移してきたが、 9月は8月より3円
値を上げ、 954円/kg (0.3%) と安定指標価格を3.9%下回った (図9)。
今月のトピックス
−家庭用バターの復活と小売価格の低下−
業務用のバターの在庫が減少傾向にある中で、 家庭用バターの消費量も伸びて
きている。 事業団のPOS情報調査による購買数量 (レジ通過客数千人当たり) の
動きをみると、 記録的な猛暑であった6年度は前年度を下回ったが、 7年3月以
降は概ね前年同月をかなり上回って推移している。 この要因として、 競合するマ
ーガリンに代わって、 バターがスーパーの特売の目玉となり、 値ごろ感がでてき
たこと等があげられる (図10)。
一方、 マーガリンは、 バターを加えて風味をよくしながら、 カロリーを押さえ
た低脂肪タイプのものに人気があり、 ここにも消費者の健康志向が表れているよ
うだ。
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