● 9月の生産量
10カ月ぶりに前年同月を上回る
9月の生産量は、 2カ月前のえ付け羽数が前年同月比1.7%増となっているこ
となどから、 9万6千230トン (1.6%) と、 7年11月以来10カ月ぶりに前年同月
を上回った (図1)。
9月のブロイラーひなえ付け羽数は、 5千202万羽 (▲5.5%) と前月に引き続
き前年同月を下回った (図2)。 主要3県の9月のひなえ付け羽数は、 岩手751
万羽 (▲14.5%)、 宮崎846万羽 (▲3.1%)、 鹿児島984万羽 (▲3.6%) と、 いず
れも前年同月を下回っている。
農林水産省統計情報部は、 ブロイラーひなえ付け羽数について、 前年同月と比
べて10月99%、 11月98%、 12月97%と見ている (10月上旬聞き取り)。
● 9月の輸入量
前年同月をわずかに下回る
9月の輸入量は4万5千397トン (▲0.7%) となった (図3)。
国別に見ると、 中国産は、 他の国が前年同月を下回っているなかで、 前月に引
き続き前年同月を大幅に上回った。 タイ産は、 引き続き飼料価格の上昇等から輸
入価格が上がっており、 7千948トン (▲10.7%) となった。 一方調製品は、 2
千864トン (133.6%) と引き続き前年同月を大きく上回って推移している。 米国
産は、 骨付きのももが7千539トン (▲6.5%)、 その他のものが4千143トン (▲
8.4%) と、 いずれも前年を下回り、 合計で1万1千682トン (▲7.3%) となっ
た。 ブラジル産は、 5千554トン (▲47.1%) となった。
● 9月の推定出回り量
前年同月をわずかに上回る
9月の推定出回り量は、 14万2千3トン (1.0%) となった (図4)。
輸入品は、 輸入量が前年同月を下回っていることもあり、 4万4千670トン(▲
4.1%) と前年同月を上回った。 国産品は、 生産量が前年同月を上回っているこ
となどから、 4月以来5カ月ぶりに前年同月を上回り、 9万7千333トン (3.5%)
となった。
● 9月の推定期末在庫量
前年同月をやや下回る
9月の推定期末在庫量は、 11万7千874トン (▲4.6%) となった (図5)。
輸入品は、 高水準であった前年同月を下回っているものの、 輸入量が急増した
7月以降、 10万トン台で推移しており、 9月は10万4千287トン (▲3.3%) とな
った。 国産品は、 6カ月連続で前年同月を下回った。
● 9月の国産鶏肉の卸売価格
前年同月を大幅に上回る
9月の国産鶏肉の卸売価格 (東京・平均) は、 生産量がわずかに増加したもの
の、 行楽シーズンを迎えて需要が強まったこと、 食肉の表示に関する公正競争規
約による原産国、 解凍品表示の義務化 (8、 9月は猶予期間) が始まったことな
どから、 国産のフレッシュの相場は前年同月を上回り、 もも肉が613円/kg (22.
1%)、 むね肉が335円/kg (22.3%) となった (図6)。
10月末には、 もも肉が654円/kg、 むね肉が319円/kgとなっている (東京・中
値 「畜産物市況速報」)。
● 9月の輸入鶏肉の卸売価格
総じて前年同月を上回る
9月の輸入鶏肉の卸売価格は前年に比べて輸入価格が上昇していることなどか
ら、 総じて前年同月を上回った。 中国産もも肉が、 368円/kg (3.7%) と7月以
降3カ月連続で前年同月を上回り、 米国産骨付きもも肉も、 強い需要に支えられ
277円/kg (6.1%) と、 昨年12月以降連続して前年同月を上回っている (図7)。
10月の価格は、 引き続き総じて前年同月を上回り、 中国産もも肉が360円/kg
(0.6%)、 米国産骨付きもも肉が278円/kg (5.3%) となっている。
今後の生産量と卸売価格
国産鶏肉の卸売価格は、 生産量の減少などから、 8年の年明けから概ね前年同
月を大幅に上回って推移している。 9月の生産量は、 前年同月をわずかに上回っ
たものの、 今後の生産量を占う先行指標となる2カ月前のひなえ付け羽数を見る
と (図8)、 8、 9月 (該当月は10、 11月) と前年同月を下回っている。 今後の
冬場の寒さによっては、 生体重の低下による生産量の減少、 なべ需要の高まりか
ら、 これまで以上に価格が上昇することも考えられる。
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