◎地域便り


北の大地で酪農を学ぶ

北海道/川田 武
 千葉県八千代市にある東京動物専門学校 (男女共学) 教養課程の1年生72名が、 
北海道留萌支庁管内幌延町の酪農家で、 9月の1週間、 自然とのふれあいや動物
愛護、 酪農の専門的知識を習得し、 地域の酪農家や農村社会との交流を深めた。 
この実習を受け入れたのは、 町の農村花嫁対策推進協議会で、 今年で4回目とな
る。 

 実習生は北海道に初めて来た学生がほとんどで、 男性29名・女性43名と、 昨年
より6名多く、 「昨年の実習で、 農家の温かさと親切な指導が好評で、 希望者が
増えた」 と、 引率教論が笑顔で話していた。 

 雄大な自然の中で、 2番牧草の収穫作業や朝晩の搾乳、 ほ乳作業等に励んだ。 
受け入れ農家のひとり、 日野さんは 「初めてにしては牛を恐がらず、 乳が出る仕
組みやオキシトシン (注) の働きを勉強した後搾乳の手順、 搾乳機器の洗浄殺菌
など、 搾乳技術を熱心に学ぶ姿に感心した」 と語っていた。 また、 実習性のひと
り、 原田さんは 「バルククーラーから直接汲み取って飲んだ搾り立ての牛乳は、 
最高のうまさだった。 牛舎内などの衛生管理がまだまだの酪農家もあったが、
『衛生とは先制攻撃なり、 先制攻撃は金なり、 先制とは乳質改善と乳房炎予防な
り』 ということを勉強しました」 と、 目を輝かせていた。 

 実習生はいずれ 「動物に関係した職業に就く」 というが、 縁があって再び町内
酪農家に実習に来る卒業生もいることから、 受け入れ側では関係機関と連携し、 
若者の第2の故郷構想を練っている。 

 (注) 脳下垂体後葉ホルモン。 乳汁分泌を促進するなどの働きがある。


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