◎地域便り


留萌港の有望貨物は 「米と牛乳」

北海道/川田 武
 北海道留萌市の商工会議所は9月22日、 留萌市の顔とも言える留萌港の将来性
や物流動向を学び、 有効活用の方向を探る研修会を開催した。 

  「大交流時代を支える港湾」 と題して講演した留萌市開発建設部の中村次長は、 
「フェリーに代表される新たな物流ルートを確保するには、 広範囲に貨物を集め
る必要がある。 将来的に見て、 米と牛乳には可能性がありそう」 と、 利用促進の
ヒントを示した。 

 留萌港の貨物取扱量を例に挙げ、 「留萌はただの通過拠点と言われるが、 現在
でも背後圏とは密接な関係がある」 と述べ、 旭川周辺の上川支庁管内中央部では
石油類の50%、 セメントの70%が留萌港から運ばれていることを紹介した。 

 留萌港隣の三泊地区に造成中の大量輸送岸壁は、 石灰と紙の原料となるチップ
をターゲットにしているが、 「広大な空間をどう活用するかがポイントになる。 
輸送船はサービスのいい港にやって来る。 競争力がないと他港からのシフトは望
めない。 地道な努力と新しい発想が必要である」 と強調した。 

 着目すべき品目として米と牛乳を挙げ、 「米は留萌管内に2万t、 背後の旭川に
14万t、 岩見沢に30万tの生産量がある。 これを留萌港から移出する手だてを考え
られないか」 と説いた。 

 牛乳については、 「留萌支庁管内の天塩町や幌延町などの有数の産地に宗谷や
網走を合わせて考えることが大切である。 西暦2000年の飲用牛乳需給バランス予
想から、 300万tは北海道から供給されるようになるのは時間の問題で、 この流通
主要港を留萌が担える」 と述べた。 

 留萌港の将来を探る研修会から、 同地域発展の鍵を握るものとして、 農畜産物
の流通に大きな期待と関心が寄せられていることを改めて認識させられた。


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