◎地域便り


秋だ羊の交配だ

秋田県/藤野 克哉
 年に一度の交配期には、 血統の良い種雄羊を選定し、 この時期を逃さないこと
が大切だ。 

 まず、 交配前に雌羊の陰部周囲の泥毛を掃除刈し、 清潔な交尾がなされるよう
心掛ける。 

 最近は、 牛の受精卵移植などが脚光を浴び、 めん羊のことは忘れられている。 

 現在、 わが国で飼養されているめん羊は、 肉用種でサフォーク種がその大半を
占めている。 

 サフォーク種は、 早いものは8月から発情の兆候が見られるが、 気候的には10
月が交配の最盛期である。 発情周期は平均16.5日、 妊娠期間は平均147日となっ
ている。 

 交配には次の方法がある。 

1)雌雄同房飼育による交配 

 この方法は分娩予定日がわからず、 生まれた子羊を凍結死させる事がある。 

2)試情雄を使っての交配 

 種雄を1日2回、 朝、 夕、 雌群に入れ発情の確認を行う。 朝発情があったら夕
方の交配又夕方の発情は翌朝交配をし、 次回の発情が未潮しなければ、 一応妊娠
とする。 しかし、 発情周期が狂うこともあるので、 交配後2回の発情周期を確認
して不発情の場合は妊娠羊としている。 

 試情雄は、 発情確認中交配しないように、 腹部にサラシの腹帯をして発情の確
認をする。 

 このようにして交配すると分娩予定日が計算されるので、 分娩時の管理が非常
に楽になる。 

 種雄羊飼養者は、 この方法を取り入れることをおすすめしたい。 

 ホルモン注射による季節外発情、 子羊の早期離乳等を図り、 かつては1年1産
のめん羊も今は2年3産となっている。 

 そのため、 本県でも熱心な飼育者は上記の方法を取り入れ交配に成功している。 

 今後は、 流通ルートにのったラム作りを広く普及したいと思っている。


元のページに戻る