◎地域便り


消費者に好評な高品質豚肉 「ポークロゼ」

鳥取県/宮本 信幸
 鳥取県の中央部に位置する倉吉市は、 県下の三大河川の一つである天神川流域
一帯を中心に、 水田、 火山灰台地、 砂丘畑が広がり、 なし、 すいか、 プリンスメ
ロン、 白ねぎ等が特産の県内でも有数の農業地帯である。 

 この倉吉市で 「JA県農とっとり」 の契約指定農場 (繁殖肥育一貫の4農場、 母
豚200頭、 肉豚出荷年間3,600頭) が生産したのが豚肉 「ポークロゼ」 である。 

 豚肉の消費拡大と足腰の強い養豚経営、 つまり 「生き残り」 を賭けた経営戦略
の目玉だ。 

 綿密なプログラムにより設計された専用飼料と飼育方法、 さらに食味、 ビタミ
ンEやコレステロール等の成分検査等を実施した結果、 高品質豚肉の仕上りを確
認した。 

 ポークロゼの肉はほんのり淡紅色、 艶があり、 きめが細かく柔らかい。 脂肪は
白色、 リノール酸が多く、 舌触りもよく、 保水性に優れ、 肉のうま味を逃さず、 
豚肉独特のにおいがないのが特徴だ。 

 この高品質豚肉づくりへの取組みに当たっては、 「食卓の視点」 に立ち、 「消費
者に安心して食べてもらえる豚肉づくりとは」 を課題に、 品種、 飼料給与、 出荷
体重などきちんとしたコンセプトをもって、 生産から販売までの一貫体制のシス
テム化に努めてきた。 

 途中、 生産農家から色々な意見が出され、 挫折一歩前の困難な局面にぶつかっ
たときもあったが、 最後には自分達で銘柄豚を作ろうという強い意欲のもと、 一
致団結、 取り組みを続けた成果だ。 

 今年8月下旬から、 JA鳥取いなば管内のAコープ21店舗で販売している。 パネ
ル、 ポスター、 リーフレット、 パックシール等の販売促進資材も作成、 大々的に
売り出したところ、 消費者の好評を得て売り切れ続出、 うれしい悲鳴をあげてい
る。 

 JA県農とっとり田中畜産部次長は 「離陸したばかりのポークロゼだが、 今後は
生産農家の顔が見える販売形態にし、 軌道に乗れば生産拡大と併せて県内のAコ
ープ店での販売展開に努めたい」 と意欲的に語っている。




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