◎地域便り


「九州養豚の展望 (ビジョン)」 を公表

熊本県/松尾 昌一
 豚肉生産量が減少傾向にある。 養豚の主産地である九州においても、 平成7年
以降飼養頭数が減少に転じており、 養豚の縮小は関連産業をも含め地域社会・地
域経済に大きな影響を及ぼすことが危惧される。 

 そこで、 九州農政局は、 九州各県の生産から生産資材、 処理・流通にわたる養
豚関係者の参集を得て、 九州地域養豚問題検討会を開催し、 九州養豚の展開方向
について意見交換を行ってきた。 このほど、 これらの論議を踏まえ、 九州の養豚
及びその関連産業が目指すべき姿として 「九州養豚の展望 (ビジョン)」 を取り
まとめ、 公表した。 

 ビジョンでは、 養豚専業の家族経営体の存続と大規模経営体の一層の規模拡大
とともに、 農協、 食肉関連企業等による系列 (組織) 化が進むものと予想してい
る。 さらに、 

(1)生産者の組織化・グループ化や新技術の導入等による経営・生産管理技術の
 高度化、 

(2)これらに対する関係機関・団体・企業の連携と協力による組織的な支援、 

(3)畜産環境問題の解決、 

(4)食肉処理施設の近代化、 衛生管理の徹底、 

等を生産、 処理、 流通の各段階が結び付きを強化する中で達成し、 全体的なコス
ト低減を図るとともに、 「環境への配慮」、 「新鮮さ」、 「安全性」 をセールスポイ
ントとして、 輸入品との差別化を図りながら、 積極的にPRしていくことを提示し
ている。


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