● 8月の生乳生産量
前年同月をやや上回る
8月の生乳生産量は71万9千377トン (4.5%) となり、 7年9月以降、 一貫し
て前年同月を上回って推移している (図1)。 地域別にみると北海道が2.8%増、
都府県が5.7%増といずれも前年同月を上回った。
(社) 中央酪農会議は、 9月に、 8年度の計画生産数量を約15万トン増枠し、
前年度計画比を年度当初の100.5%から102.5%へ上方修正することを決定した。
牛群検定 ( (社) 家畜改良事業団) の結果から、 1頭1日当たりの平均泌乳量
をみると、 8月は北海道が26.7kg (0.4%)、 都府県が24.9kg (4.2%) と共に前
年同月を上回っており、 生乳生産回復の大きな要因となっている。 都府県の9月
は25.3kg (1.6%) となっている (速報値、 図2)。
● 8月の飲用向け処理量
前年同月並み
8月の飲用牛乳等向け処理量をみると、 43万8千36トン (▲0.3%) と前年同
月並みとなった (図3)。
生産量を品目別にみると、 はっ酵乳や栄養強化タイプが人気の乳飲料は消費者
の健康志向を背景に前年同月をかなり大きく上回り、 好調に推移しているほか、
加工乳、 乳酸菌飲料も前年同月を上回った。 一方、 牛乳は天候要因等から前年同
月を下回った (牛乳▲5.1%、 加工乳1.8%、 乳飲料13.6%、 はっ酵乳10.6%、 乳
酸菌飲料6.7%、 図4)。
● 8月の乳製品向け処理量
前年同月をかなり大きく上回る
8月の乳製品向け処理量は、 生乳生産量が前年同月をやや上回った一方で、 飲
用牛乳等向け処理量が前年同月並みとなったことから、 27万1千500トン (14.0
%) となった (図5)。
品目別に見ると、 生クリーム等需要拡大事業の効果等から、 クリームの生産量
は7年11月以降、 前年同月を上回って推移しており、 8月も同23.0%増の4千90
2トンとなった。
● 8月の脱脂粉乳
生産量は前年同月をかなり上回る
8月の脱脂粉乳の生産量は、 1万5千607トン (10.5%) となった。
8月の推定出回り量は2万トン (0.3%) と前年同月並みとなった。
8月の推定期末在庫量は、 4万100トンと、 前月より4千400トン取り崩され、
前年同月を21.7%下回った (図6)。
大口需要者価格は、 7年7月をピークに小刻みに値を下げてきたが、 8月は7
月より1円値を上げ1万3千519円/25kg (▲0.4%) と、 安定指標価格を5.3%
上回っている (図7)。
● 8月のバター
生産量は前年同月を大幅に上回る
8月のバターの生産量は、 6千744トン (16.7%) となった。
8月の推定出回り量は6千600トン (3.3%) となった。
8月の推定期末在庫量は、 3万900トンと前年同月を16.2%下回った (図8)。
月々の動きをみると、 7年12月の2万5千900トンを底に若干積み増しされた後
は、 2万9千トンから3万1千トン台で推移している。
大口需要者価格は、 7月に続いて951円/kg (0.1%) と前年同月並みとなり、
安定指標価格を4.2%下回っている (図9)。
今月のトピックス
−搾乳牛は増加するも未経産牛は減少傾向−
先頃、 農林水産省が発表した 「乳用牛の飼養動向 (8年8月現在)」 によると、
平成5年以降、 減少傾向にある乳牛の飼養頭数は、 192万4千頭と引き続き前年
同月をわずかに下回った。
搾乳牛は生乳増産のため、 104万頭 (1.9%) と前年同月をわずかに上回ったの
に対し、 未経産牛は交雑種の生産が増加したことに伴い、 搾乳向けの出生めす子
牛が減少したことなどから、 70万2千頭 (▲3.8%) と前年同月をやや下回った
(図10)。
年齢別飼養頭数をみると生乳生産の主力となる 「2歳」 がわずかに増加して
いるのに対し、 「1歳」 及び 「1歳未満」 は減少傾向にある (図11)。
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