鶏 肉

鶏 肉

● 8月の生産量

前年同月をやや下回る
 8月の生産量は、 2カ月前のえ付け羽数が前年同月比▲5.8%となっているこ となどから、 9万2千306トン (▲5.1%) となった (図1)。  8月のブロイラーひなえ付け羽数は、 5千557万羽 (▲3.3%) となった (図2)。 主要3県の8月のひなえ付け羽数は、 岩手県925万羽 (7.2%) と増加したものの、 宮崎県と鹿児島県はそれぞれ897万羽 (▲4.8%)、 1千36万羽 (▲5.7%) と前年 同月を下回った。  農林水産省統計情報部は、 ブロイラーひなえ付け羽数について、 前年同月と比 べて9月96%、 10月99%、 11月98%と見ている (9月上旬聞き取り)。
◇図1:鶏肉の生産量◇
◇図2:ブロイラー用ひなえ付け羽数◇

● 8月の輸入量

中国産6カ月ぶりに前年同月を上回る
 8月の輸入量は4万7千170トン (0.3%) となった (図3)。  国別に見ると、 中国産は、 1万9千507トン (16.4%) と、 6カ月ぶりに前年 同月を上回った。 今のところ、 中国産に占める冷蔵品の割合は5%に過ぎないが、 毎月、 前年同月のほぼ2倍の量が継続的に輸入されており、 今後とも冷蔵品の増 加傾向は続くものとみられる。 タイ産は、 8千171トン (▲14.4%) となった。 タイ国内で需要が増大していること、 飼料価格、 人件費の上昇などにより輸出価 格が上昇していることなどから、 タイ産は概ね前年同月を下回って推移してきて おり、 8年4月〜8月の累計でも前年同期を大幅に下回っている (▲16.9%)。 米国産は、 主要アイテムの骨付きももが7千932トン (12.8%) と前月に引き続 き前年同月をかなり上回ったため、 その他のものが大幅に減少しているものの、 合計では1万1千886 (0.0%) トンとなった。 ブラジル産は、 7千294トンで (▲14.4%) となった。 4〜8月の累計では5万210トン (23.5%) となっており、 タイ産の減少とは対照的に大幅に増えている。
◇図3:鶏肉の輸入量◇

● 8月の推定出回り量

前年同月をやや下回る
 8月の推定出回り量は、 13万5千760トン (▲3.8%) となった (図4)。  輸入品は、 4万3千610トン (▲0.8%) と前年同月をわずかに下回った。 一方、 国産品は、 生産量が前年同月を下回っていることなどから、 9万2千150トン (▲5.2%) となった。
◇図4:鶏肉の推定出回り量◇

● 8月の推定期末在庫量

前年同月をやや下回る
 8月の推定期末在庫量は、 11万8千250トン (▲4.4%) であった (図5)。 輸 入品は、 10万3千560トン (▲4.8%) と、 前年同月を下回ったものの、 7月の輸 入量が高水準であったことなどから前月に引き続き10万トン台となった。 国産品 は、 1万4千690トン (▲1.8%) と生産量の減少などから、 4月以降5カ月連続 で前年同月を下回って推移している。
◇図5:鶏肉の推定期末在庫量◇

● 8月の国産鶏肉の卸売価格

前年同月を大幅に上回る
 8月の国産鶏肉の卸売価格 (東京・平均) は、 生産量が引き続き前年同月を下 回っていることなどから、 もも肉が567円/kg (16.0%)、 むね肉が354円/kg (3 4.1%) となった (図6)。  9月に入ってからも、 もも肉は上伸し、 月末には649円/kgとなった。 一方、 むね肉は329円/kgとなっている (東京・中値 「畜産物市況速報」)。
◇図6:国産鶏肉の卸売価格◇

● 8月の輸入鶏肉の卸売価格

総じて前年同月を上回る
 8月の輸入鶏肉の卸売価格は、 中国産もも肉が、 378円/kg (6.5%)、 米国産 は、 骨付きももが275円/kg (5.8%) となった (図7)。 タイ産もも肉は、 5月 以来前年同月を上回って推移し、 8月には401円/kg (6.9%) と、 6年12月以降 1年8カ月ぶりに400円台となった。  9月の価格は、 米国産もも、 ブラジル産ももを除き、 前年同月を上回った。 中 国産もも肉が、 368円/kg (3.7%)、 タイ産もも肉が396円/kg (4.5%)、 米国産 骨付きもも肉が277円/kg (6.1%) となっている。
◇図7:輸入鶏肉の卸売価格◇

今月のトピックス
輸入価格とブラジル産の輸入量
 鶏肉の輸入価格 (CIF) は、 国別、 品目別に価格のばらつきはあるものの、 8 年度に入ってからは為替の影響もあって、 すべての輸入統計品目で上昇している。  その中でブラジル産は、 前年同期比107.9%と他の国に比べて低い上昇率にと どまっている。 8年4月〜8月の累計で、 ブラジル産の輸入が23.5%増と大幅に 前年同期を上回っているが、 これは、 他の国に比べて低価格で輸入できることも 要因の一つと考えられる。
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