● 7月の生乳生産量
前年同月をやや上回る
7月の生乳生産量は73万5千12トン (4.9%) となり、 7年9月以降、 一貫し
て前年同月を上回って推移している (図1)。 地域別にみると北海道が4.9%増、
都府県が4.8%増といずれも前年同月を上回った。
牛群検定 (社団法人家畜改良事業団) の結果から、 1頭1日当たりの平均泌乳
量をみると、 7月は北海道が27.4キログラム (1.9%)、 都府県が25.2キログラム
(2.9%) と共に前年同月を上回っており、 生乳生産回復の大きな要因となってい
る。 都府県の8月は24.9キログラム (4.2%) となっている (速報値、 図2)。
● 7月の飲用向け処理量
前年同月をやや上回る
7月の飲用牛乳等向け処理量をみると、 46万4千703トン (3.2%) と前年同月
を上回った (図3)。
7月の生産量を品目別にみると、 はっ酵乳、 乳飲料が前年同月を大幅に上回り、
好調に推移しているほか、 牛乳、 加工乳、 乳酸菌飲料も前年同月を上回った。
(牛乳1.9%、 加工乳9.6%、 乳飲料18.0%、 はっ酵乳18.3%、 乳酸菌飲料3.6%、
図4)。
● 7月の乳製品向け処理量
前年同月をかなりの程度上回る
7月の乳製品向け処理量は、 飲用牛乳等向け処理量の伸び (3.2%) を生乳生
産量の伸び (4.9%) が上回ったことから、 26万299トン (8.8%) となった (図
5)。
品目別に見ると、 生クリーム等需要拡大事業の効果等から、 クリームの生産量
は7年11月以降、 前年同月を上回って推移しており、 7月も5千125トンと前年
同月を33.6%上回っている。
● 7月の脱脂粉乳
生産量は前年同月をかなり上回る
7月の脱脂粉乳の生産量は、 1万5千487トンと前年同月を8.4%上回った。
7月の推定出回り量は1万9千700トンと前年同月を6. 7%上回った。
7月の推定期末在庫量は、 4万4千500トンと、 前月より2千500トン取り崩さ
れ前年同月を7.3%下回った (図6)。
7年7月をピークに小刻みに値を下げている大口需要者価格は、 6月に続いて
1万3千518円/25キログラム (▲0.4%) となったが、 安定指標価格を5.3%上
回っている (図7)。
事業団は、 1万5千トンの追加輸入の入札を実施、 10月以降、 2〜3回に分け
て放出する予定である。
● 7月のバター
生産量は前年同月をかなり上回る
7月のバターの生産量は、 6千460トンと前年同月を9.8%上回った。
7月の推定出回り量は7千200トンと前年同月を25.6%上回った。
7月の推定期末在庫量は、 3万700トンと前年同月を18.1%下回った (図8)。
月々の動きをみると、 7年12月の2万5千900トンを底に若干積み増しされた
後は、 2万9千トンから3万1千トン台で推移している。
大口需要者価格は、 6月より2円値を下げて951円/キログラムと前年同月並
みとなり、 安定指標価格を4.2%下回った (図9)。
−老齢者世帯では栄養強化タイプの乳飲料が好まれる−
乳飲料の牛乳タイプ (乳成分にカルシウム等の栄養素を添加したもの) の購買
数量が昨年12月以降、 増加傾向にある (巻末資料:POS情報調査参照)。
平成7年度 「牛乳等の小売価格及び牛乳・乳製品等の消費動向調査 (畜産振興
事業団)」 から、 乳飲料の種類別購入割合 (複数回答) をみると 「し好タイプ」
に次いで、 「栄養強化タイプ」 が41.1%を占めている (図10)。 更にその内訳は、
カルシウム強化タイプが74.9%と多数を占めており、 次に鉄分強化タイプ (33.6
%) が続く (図11)。
世帯員構成別にみると、 子供のいる世帯が 「し好タイプ」 の乳飲料を好んでい
るのに対し、 成人のみの世帯、 特に老齢者のみの世帯が 「栄養強化タイプ」 を好
んで購入している。
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