鶏 肉

鶏 肉

● 7月の生産量

前年同月をわずかに下回る
 7月の生産量は、 2カ月前のえ付け羽数が前年同月比▲2.2%となっているこ となどから、 10万1千586トン (▲2.3%) と引き続き前年同月を下回った (図1)。  7月のブロイラーひなえ付け羽数は、 5千373万羽 (1.7%) と昨年1月以来、 1年半ぶりに前年同月を上回った。 主要3県 (岩手、 宮崎、 鹿児島) の7月のひ なえ付け羽数は、 岩手771万羽 (▲2.0%)、 宮崎920万羽 (▲6.0%)、 鹿児島1千 9万羽 (1.4%) となっており、 3県合計では2千701万羽 (▲2.2%) と前年同 月を下回っている。  農林水産省統計情報部は、 ブロイラーひなえ付け羽数について、 前年同月と比 べて8月96%、 9月96%、 10月97%と見ている (8月上旬聞き取り)。
◇図1:鶏肉の生産量◇

● 7月の輸入量

中国産2万トン台回復、 ブラジル産大幅増
 7月の輸入量は、 6万2千982トン (19.5%) となった (図2)。  国別に見ると、 ブラジル産が、 1万9千349トン (109.8%) と前年同月の2倍 以上となった。 4月からの累計でも前年同期比33.6%増となっている。 中国産は、 2万2千256トン (▲8.1%) と前年同月を下回ったものの、 1年ぶりに2万トン 台に乗せた。 タイ産は、 8千763トン (0.1%) と前年同月並み、 米国産は、 特に 骨付きももが7千735トン (29.8%) と好調で、 合計で1万2千262トン (20.3%) となった。  加工度の高い鶏肉調整品の輸入は、 タイ産、 中国産がそれぞれ2千818トン(48. 8%)、 2千332トン (62.7%) となっている。 特にタイ産は3月以降2千トン台 で推移しており、 鶏肉の減少傾向とは対照的に安定している。
◇図2:鶏肉の輸入量◇

● 7月の推定出回り量

前年同月をやや上回る
 7月の推定出回り量は、 15万4千186トン (3.4%) となった (図3)。  輸入品は、 輸入量が前年同月を上回ったことや、 梅雨明けが例年より早く、 業 務用需要が伸びたことなどから、 5万3千391トン (18.7%) と前年同月を大幅 に上回った。 国産品は、 10万795トン (▲3.2%) と前年同月をやや下回った。
◇図3:鶏肉の推定出回り量◇

● 7月の推定期末在庫量

前年同月をやや下回る
 7月の推定期末在庫量は、 11万4千534トン (▲5.0%) であった (図4)。  輸入品は、 10万トン (▲5.4%) と高水準であった前年同月を下回った。 国産 品は、 生産量が前年同月を下回っていることなどから、 1万4千534トン (▲2.2 %) となった。
◇図4:鶏肉の推定期末在庫量◇

● 7月の国産鶏肉の卸売価格

もも、 むねともに前年同月を大幅に上回る
 7月の国産鶏肉の卸売価格 (東京・平均) は、 例年より梅雨明けが早く、 需要 が高まったのに対して、 生産量が前年同月を下回ったことなどから、 もも肉が55 6円/キログラム (20.3%)、 むね肉が354円/キログラム (48.1%) といずれも 前年同月を大幅に上回った (図5)。  8月は、 もも肉が旧盆以降値を上げ、 月末には597円/キログラムとなった。 むね肉は、 361円/キログラムとなっている (東京・中値 「畜産物市況速報」)。
◇図5:国産鶏肉の卸売価格◇

● 7月の輸入鶏肉の卸売価格

総じて値を上げる
 7月の輸入鶏肉の卸売価格は、 中国産もも肉が、 369円/キログラム (3.9%) と今年3月に値を下げて以来4カ月ぶりに前年同月を上回った。 米国産骨付きも も肉は輸入量が前年同月を大幅に上回っているものの、 280円/キログラム (7.7 %) と前年同月を上回った。 タイ産もも肉は、 5月以降堅調に推移しており、 39 8円/キログラム (6.7%) となった。  8月の価格は、 中国産もも肉が378円/キログラム (6.5%)、 タイ産もも肉が4 01円/キログラム (6.9%)、 米国産骨付きもも肉が275円/キログラム (5.8%) といずれも7月に引き続き前年同月を上回った。
◇図6:輸入鶏肉の卸売価格◇

今月のトピックス
8年度出荷計画に基づく8年度需要見通し
 9月12日、 全国ブロイラー生産出荷調整会議 (主催:農林水産省畜産局食肉鶏 卵課) が開催され、 試算として、 8年度出荷計画に基づく8年度需給見通しが示 された。 会議では、 8年4〜7月の需要量が前年並みであったのに対し、 供給面 では国内生産量、 輸入量がわずかに前年を下回るなど、 需給バランスがようやく 保たれてきたこと、 その結果、 卸売価格が上昇していることが説明された。  また、 一昨年から昨年にかけて急増した輸入量については、 関係団体から、 輸 出国における飼料価格の高騰や人件費の上昇、 日本より有利な市場の存在、 円安 などにより、 年を通じてみると前年をわずかに下回るのではないかとの見方が示 された。 ◇8年度出荷計画に基づく8年度需要見通し(試算)◇
元のページに戻る
月報「畜産の情報(国内編)の目次に戻る