◎地域便り


低コストで機能的、 組立式バンカーサイロ

北海道/高木 正季
 「サイレージは乳牛の主食だから、 その量と質が重要」 

 北海道上川支庁管内の北端にある中川町ではこのような考えから、 サイレージ
をつくる器としてのサイロの整備について関心が高まってきた。 

 そこで町と関係機関は、 「北海道農業元気づくり事業」 と町独自の助成策によ
り、 低コストで機能的なモデルサイロづくりを支援してきた。 このほど完成した
サイロは、 組立式コンクリートパネルバンカーサイロで、 容量は226立方メート
ルと358立方メートルの2基。 1立方メートル当たり建設費はおよそ1万円で、 
一般に3万5千円程度と見積もられる型枠流し込み方式に比べ、 かなり安くでき
上がった。 

 主材料のパネルは、 SK式 (昭和62年開発、 パネルバンカーサイロのパイオニア) 
を用いたが、 道内ではこのほかにも数種類の製品が出回っており、 これらを合わ
せたこの種のサイロ建設基数は、 すでに相当数に達しているものとみられる。 

 モデルになった2戸の農場や中川町の関係者は、 今回建設されたサイロが持つ
次のような特徴について評価し、 今後のなりゆきを見守っている。 

1)パネルは工場で量産、 現地組立方式なので建設費が安く、 自力建設できる。 

2)パネルの後背は盛土で支えているから強固で安全。 

3)コントラクタによる作業委託、 TMR方式など水平移動タイプの新しい酪農シス
 テムにマッチしている。 

 中川町の酪農・畜産は農業粗生産額の約8割を占める町の大黒柱。 それだけに、 
サイロ整備モデルに寄せる地元の期待も大きい。 

【完成したコンクリートパネルバンカーサイロ】

【組立式コンクリートパネルバンカーサイロの模式図】

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