◎地域便り


初回受胎率の向上が課題

北海道/西尾 登
 北海道家畜人工授精師協会は、 毎年、 乳用牛の人工授精実施成績をとりまとめ
公表している。 

 これによると、 平成7年は道内で人工授精の実務に従事した技術者 (家畜人工
授精師・獣医師) は730名で、 前年より51名減少している。 

 また、 人工授精を実施した実頭数は全道で607,904頭、 技術者1人当たりでは8
32.7頭となっている。 平成4年の実頭数649,496頭、 1人当たり850頭をピークに
減少している。 

 授精成績のうち、 授精延頭数を授精実頭数で除した 「平均授精回数」 では、 全
道平均1.72回で、 平成2年1.66回から逐年回数が増えてきている。 

 また、 授精実頭数から授精後90日以内に転売、 廃用、 へい死などで調査不能に
なったものを除いた、 初回の授精で受胎した頭数の 「初回受胎率」 は、 平成7年
全道で54.0%と平成2年の57.6%以来毎年低下している。 

 近年、 本道酪農における労働力限度いっぱいの規模拡大や、 高泌乳化に伴う購
入飼料依存による給与過多と粗飼料利用 (含む放牧) の減少、 哺育育成技術の拙
劣化など、 飼養管理、 繁殖管理の不徹底が人工授精成績にも反映されていると判
断される。 「初回受胎率」 を全道平均で60%ラインに乗せることが当面関係者の
悲願となっている。 

北海道乳用牛人工受精実施成績の推移
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                 総  授  精           初  回  授  精 
          実頭数 平均回数 総受胎率  実頭数 初回受胎率 技術者数
          (頭) (回)    (%)    (頭)   (%)    (人)
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平成2年  612,306    1.66    92.0      559,715     57.6      743
  3年  633,904    1.67    92.2      575,692     56.8      747
  4年  649,496    1.67    92.2      586,403     56.8      764 
  5年  637,471    1.66    92.4      580,097     56.8      751
  6年  614,023    1.69    91.2      556,959     55.6      781
  7年  607,904    1.72    90.6      536,402     54.0      730
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                      北海道家畜人工授精師協会調べ

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