◎地域便り


産直推進で地域活性化

岩手県/新井谷 保彦
 岩手県山形村では、 日本短角種は 「夏山冬里」 方式の放牧育成と粗飼料多給肥
育によって飼養されている。 その飼養管理を高く評価する 「大地を守る会」 との
出会いから、 産直提携が結ばれ、 現在では毎年 「大地を守る会」 の人々を村に招
待して村ぐるみの交流が行われ、 地域活性化に役立っている。 

  「有限会社総合農舎山形村」 は、 産直提携10年目を迎えるに当たって、 さらに
進んだ新しい提携関係を構築するために、 平成7年6月に農畜産物処理加工会社
として設立された。 

 当施設は、 山形村・陸中農協・大地牧場の出資による第3セクター方式の有限
会社で、 従業員13名 (正職員3名、 臨時職員10名) は、 全員が地元採用である。 

 現在、 加工施設では、 ソーセージ類、 惣菜類、 豚内臓加工品等合わせて17種類
の加工品が作られ、 これらの大部分は 「大地を守る会」 に出荷されているが、 い
わて生協の共同購入のほか県内の販売拡大にも力を入れている。 また、 レバーソ
ーセージ、 荒挽きウィンナーなどが詰め合わされたお中元ギフトセット (3,000
円) も大好評を得ている。 これらの商品は、 加工製造工程で保存料・発色剤・結
着剤等の添加物を一切使用しておらず、 一般流通商品と違う、 安全性をより重視
した差別化商品である。 

 さらに、 山形村特産の日本短角種は、 「大地を守る会」 に出荷する他、 「地元で
定期的に購入したい」 という要望に応え、 平成7年10月から 「モーベコセット 
(焼肉・すき焼・バラスライス・コマ切れ:800グラム/1セット、 会員価格2,65
0円)」 の精肉販売も始めており、 会員も徐々に増えている。 

 今後は、 産直提携を大事にしながら、 原料の地場生産と消費拡大を図ることに
より、 さらなる地域活性化が期待される。 

連絡先 「有限会社総合農舎山形村」 
    電 話:0194−75−2929
     FAX:0194−75−2930

【産直提携10年目を迎えるにあたり建設された農畜産物処理加工施設】


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