◎地域便り


賞味期限切れ牛乳を再利用

愛知県/山田 眞理
 愛知県稲いな沢ざわ市のダイキン株式会社は、 賞味期限切れ牛乳を飼料用にリ
サイクルする工場を建設し、 平成8年6月28日から運転を開始している。 

 約5億5千万円かけたこの工場では、 いわゆるリサイクル法にのっとり、 賞味
期限切れ牛乳やジュースから水分を蒸発させ、 粉末状に加工している。 

 牛乳粉末の製造工程は牛乳パックの直接投入から始まって、 パック洗浄、 抽出、 
濃縮、 乾燥、 袋詰となっており、 ほとんどが自動となっている。 順調に稼働する
ようになれば、 運転に必要な労働力はパック洗浄の確認と袋詰め密封の2人です
み、 労働効率は非常に優れている。 また、 24時間の連続運転が可能となり、 施設
効率もよい。 

 できあがった製品は粉ミルク状でサラサラしており、 脂肪が含まれているため、 
黄色を帯びている。 財団法人日本食品分析センターで製品の分析を行った結果は、 
水分4.5%、 粗タンパク質25.5%、 粗脂肪11.3%、 粗灰分5.3%、 リン683ミリグ
ラム/100グラム、 カルシウム831ミリグラム/100グラム、 乳糖29.4グラム/100
グラムとなっている。 また、 この製造工程中に牛乳は100度以上に加熱されてお
り、 滅菌は完全に行われている。 

 この工場では、 1日約48トンの牛乳処理が可能であり、 牛乳粉末は1日あたり
2,800キログラムの製造が可能である。 製品は、 現在、 県内の配合飼料メーカー
に販売されている。 同社の社長は 「廃棄される牛乳ではあるが、 良質な物であり、 
家畜やペットの飼料として有効に再利用していただけたらありがたい」 と語って
いる。


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