◎地域便り


競争に打ち勝つ良質な生乳を

愛知県/森下 忠
 みどり牛乳農業協同組合は、 愛知県知多半島の1市5町にまたがり、 組合員数
は127戸である。 組合では、 酪農家の乳質向上への意識向上を図るため、 組合総
会で、 良質乳出荷者を毎年表彰している。 例年の表彰者は数名程度であったのに
対し、 今回の表彰の対象となる、 平成6年10月から平成7年9月までの1年間、 
常にAランク乳を出荷した農家は18戸 (組合員の約15%) にもなっている。 Aラン
ク乳の基準は、 月3回のサンプリングのいずれも、 (1)乳脂肪分3.5%以上、 (2)
無脂固形分8.5%以上、 (3)細菌数30万個/ミリリットル以下、 (4)乳たんぱく3.0
%以上、 (5)比重1.03以上である。 中には日量3トン以上の出荷農家が4戸も含
まれており、 大規模酪農家であっても良質乳生産への努力を怠っていない。 

 知多半島一帯で生産された生乳は、 尾張南部クーラーステーションに集荷され、 
各メーカーに販売されている。 みどり牛乳の組合員の生産した生乳もここへ出荷
されている。 クーラーステーションでは厳しい乳質管理を行っている。 特に体細
胞数については、 月3回の検査時に30万個/ミリリットル以上の生乳を出荷した
者に対して、 5円/kgのペナルティを課している。 そのため、 酪農家は特に乳房
炎対策を中心とした乳質改善に真剣に取り組んでいる。 その結果として、 今回の
優秀農家18戸の表彰につながった。 

 尾張南部クーラーステーションの生乳は乳質管理が厳しく、 みどり牛乳の組合
員も積極的に取り組んでいるため、 県下でも有数の良質乳となっている。 乳製品
の自由化が進む中で、 良質乳生産を続けることが、 様々な競争に打ち勝つ酪農経
営を育てる基本と思われる。 


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