牛 肉・肉用子牛 |
牛 肉 |
引き続き減少 1月の生産量は、 2万7千922トン (▲5.3%) であった (図1)。 和牛のと畜頭数は、 母牛飼養頭数の減少等から、 減少基調にあるが、 1月はめ す、 去勢ともに前年同月をわずかながら上回り、 4万3千401頭 (1.4%) となっ た。 乳牛のと畜頭数は、 めす、 去勢ともに減少し (それぞれ▲4.7%、 ▲10.9%) 、 合計で5万5千164頭 (▲8.0%) となった。 去勢の減少は、 母牛頭数の減少に加 え、 6年夏の猛暑により分娩頭数が減少した時期に生まれた牛が、 出荷時期に当 たっていることが要因とみられる。
前年同月を大幅に下回る 1月の輸入量は、 輸入牛肉の売れ行き不振、 円安等から、 4万595トン (▲17. 8%、 図2) と8年8月以来、 連続して前年同月を大幅に下回っている。 米国産は、 在庫が十分と見られるばらを中心に冷凍品が大幅に前年同月を下回 ったことから、 合計で1万8千352トン (▲23.6%、 図3−1) となった。 豪州産は、 冷蔵、 冷凍ともに国内での売れ行き不振から輸入が手控えられ、 合 計で1万9千477トン (▲15.4%、 図3−2) となった。 事業団調査によると、 2月の輸入量は3万9千トン (冷蔵品2万5千トン、 冷 凍品1万4千トン)、 3月は3万7千トン (冷蔵品2万7千トン、 冷凍品1万ト ン)、 4月は3月に比べて冷蔵品はかなり増加、 冷凍品も大幅に増加するものと 見込まれる。
引き続き減少 1月の推定出回り量は、 国産品が前年同月並みであったものの、 輸入品が引き 続き減少傾向にあり、 7万1千432トン (▲3.5%、 図4) となった。 家計購入量 (1人当たり) は、 8年4月以降、 BSE報道や病原性大腸菌O−157 による食中毒の影響等から、 前年同月を約1割以上も下回って推移し、 低迷して きた。 1年で最も牛肉消費の多い12月も、 依然、 前年同月比▲9.2%の347gとな っている (図5)。
輸入品の減少幅鈍る 1月の推定期末在庫量は、 国産品が、 7年8月以来1年5カ月ぶりに前年同月 を下回ったものの、 輸入品がわずかながら上回ったため、 合計で9万5千371ト ン (0.7%、 図6) となった。 SG発動前に在庫が積み上がった輸入品は、 7月をピークとし、 毎月6千から1 万トン程度減少してきたが、 1月は前月よりも1千トン強の減少にとどまり、 8 万3千493トン (1.5%) であった。
引き続き好調、 乳オス急騰 1月の省令価格 (東京市場) は、 1,186円/kg (18.1%、 図7) となった。 生 産量が減少傾向にある中で、 国産品人気が高いことなどから、 引き続き高水準で ある。 和牛去勢A2、 A3は、 量販店の和牛取り組み強化等から引き続き好調である(A 3−1,611円/kg (13.9%、 図8−1)。 7年2月以降、 前年同月を下回っていた 高級品A5も、 2,343円/kg (1.3%) と2年ぶりに前年同月を上回った。 交雑種 (F1)、 乳用種の去勢牛も、 輸入牛肉に代えて国産牛肉に取り扱いを強 化している量販店の需要等に支えられ好調である。 9月の急騰後、 値を下げてき た乳用種は、 と畜頭数の減少等から、 前月より95円も値を上げた。 (F1 B3− 1,326円/kg (8.6%)、 乳用種B2−840円/kg (43.1%)、 図8−2)。
ロイン中心に総じて前年同月を上回る 1月の輸入牛肉の仲間相場は、 8月以降輸入量が絞り込まれたことに加え、 円 安等から、 米国産ばら等を除き、 前年同月を上回る品目が多かった。 北米産は、 荷余り観のあるばら系を除いて、 ロイン系を中心に前年同月を上回 った。 冷蔵品112Aリブアイロールは、 1,984円 (14.1%、 図9)、 極端な品薄とな った189Aフルテンダーロインは3,210円/(21.3%) と続騰した。 豪州産は、 チャックロール以外は、 総じて前年同月を上回った。 グラスフェッ ド・フルセットは612円 (9.6%) と堅調であったが、 2月にかけては、 輸入量が 絞られているにも関わらず荷動きが悪く、 値を下げた。 ショーフェッド・フルセ ットも802円 (22.9%) と依然前年同月を上回っているものの、 前月よりも33円 値を下げた。
肉用子牛 |
価格は前年同月を下回る 1月の黒毛和種の取引頭数は、 3万4千148頭 (1.6%) と、 1年ぶりに前年同 月を上回った。 価格は、 めす、 おすともに前年同月を下回り、 平均で38万3千円 /頭 (▲1.3%、 図10) となった。
頭数減などから高値維持 ホルスタイン種の取引は、 母牛頭数の減少、 F1生産の増加等から頭数が減少 し続けている。 価格は好調な枝肉価格を反映し、 肥育経営の導入意欲が強いこと などから、 11万8千円/頭 (25.8%、 図11) と、 引き続き大きく前年同月を上回 っている。 ヌレ子は、 前月より3千円値を下げ、 4万1千円/頭 (▲8.6%) となった。
高値維持 1月の交雑種 (F1) の取引は、 頭数が大幅な増加傾向にあるにもかかわらず、 価格は21万2千円/頭 (10.5%、 図12) と引き続き高い水準にある。 これは、 枝 肉価格が底堅く推移し、 肥育経営の導入意欲が強いためと見られる。 一方、 ヌレ子は頭数の増加等から8年7月以降値を下げてきたが、 逆に11月か らはじりじりと値を上げ、 1月は9万8千円 (▲11.2%) となった。 (注) 数字は農畜産業振興事業団調べ、 取引価格は、 めす・おす平均である。
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