11月−682,936トン (0.0%)
・9年4月以降、 7、 8月だけはわずかに増加したものの伸び悩み、 9年度累計
では0.3%減。
・北海道は前年同月を2.3%上回ったが、 都府県は飼養頭数の減少等から1.7
%下回り、 9年4月以降減少傾向が続く。
北海道:11月は25.6kg (1.6%)
都府県:11月は25.6kg (▲0.4%)、 12月は25.7kg (▲0.8%、
速報値)
・北海道は9年7月に前年同月並みとなり、 以降4カ月連続で前年同月をわずか
ながら上回る。
・都府県は8年度の伸びが大きかったこともあり、 9年9月にわずかに減少に転
じ、 以降伸び悩む。 11月は再びわずかに減少。
11月−420,145トン (▲1.6%)
・9年4月以降、 5月、 9月を除き前年同月を下回る。 9年度累計では0.6%減。
・牛乳の生産が減少傾向である一方、 乳飲料及びはっ酵乳の生産は好調が続く。
・加工乳は9年度に入っても、8月にやや落ち込んだ以外増加傾向であったが、1
1月は65,425kl (▲2.8%) と減少。 9年度累計では1.0%増。
11月−330,542kl (▲3.9%)
・9年9月にごくわずか増加したが、 8年8月以降減少傾向が続き、 11月は前
年同月をやや下回る。
・9年度累計では、 2.4%減。
11月の乳飲料−93,409kl (9.4%)
はっ酵乳−45,118kl (7.4%)
・健康志向、 栄養強化タイプ等を中心としたメーカーの積極的な商品開発等を背
景に、 一貫して前年同月を上回って推移し、 9年1月以降、 両アイテムともほ
ぼ2桁の伸び。 11月は伸び率が1桁台。
・9年度累計では、 乳飲料が13.5%増、 はっ酵乳が13.3%増。
11月−254,080トン (3.0%)
・生乳生産量が前年同月並みで、 優先的に仕向けられる飲用牛乳等向け処理量の
減少がわずかであったことから、 乳製品向け処理量はやや増加。
・生クリーム等需要拡大事業の効果等から生産量が大きく伸びてきたクリームは、
9年7月以降は伸びが1桁台に落ち着き、 11月は6,304トン (3.8%)。
・9年5月以降、ほぼ2桁の伸びを示してきた直接消費用ナチュラルチーズは、好
調な需要に支えられ、 11月も1,119トン (10.6%) とかなりの増。
11月の生産量−15,504トン (8.1%)
・9年度の累計生産量は、 1.9%減。
・事業団は、9年度カレントアクセス分として17,077トンを輸入、 9年7月
までに売渡しを完了。
また、 緊急輸入分についても、 11,921トンを輸入、9年12月までに売渡
を完了。
・推定出回り量は17,300トン (▲7.3%)、 推定期末在庫量は47,000
トン (12.1%) で前月よりも1,400トン増加。
11月−13,726円/25kg (1.5%)
・8年度に引き続き、 9年4月以降安定指標価格を5%程度上回って推移。
・9年7月以降4カ月連続同水準の後、 11月は3円下げ、 安定指標価格 (13,
090円/25kg) を4.9%上回る水準。
11月の生産量−5,958トン (3.6%)
・9年度の累計生産量は、 0.4%増。
・推定出回り量は8,400トン (▲8.5%)、 推定期末在庫量は22,200ト
ン (▲12.2%) で前月よりも2,500トン減少。
11月−993円/kg (3.3%)
・8年2月、 3月の947円/kgを底に値を戻し、 在庫水準が前年より1割前
後低いこともあって、 8年9月から9年4月まで一貫して上昇傾向。
・9年4月以降5カ月連続で同水準の後、 9月に1円上げ、 11月はさらに1円
あげて、 安定指標価格 (965円/kg) を2.9%上回る水準。
伸びる牛乳タイプ乳飲料
「牛乳乳製品統計」 (農林水産省) によると、牛乳の生産量は平成8年8月以降
減少傾向 (9年4〜11月累計2,816千トン (▲2.4%))にあるが、 乳飲料
は平成8年度から9年度にかけて大きな伸び (同834千トン (13.5%)) を
示している (図11)。
乳飲料を商品タイプ別に分類すると、 大きく1)牛乳タイプ、 2)コーヒータイプ、
3)フルーツタイプ、 4)その他に分けられる。 それぞれの販売数量の構成比を量販
店のPOSデータで見ると、 牛乳タイプ乳飲料は7年度38.3%、8年度は更に
増えて全体の50%以上を占めている (図12)。
「加工乳・乳飲料等の生産実態調査」 (平成7年度事業団実施) によれば、牛乳
タイプ乳飲料の約半分が乳脂肪率1.0〜2.0%の低脂肪であり、 カルシウムを
はじめ鉄分、 ビタミン類などの栄養素や乳糖分解酵素、 食物繊維などが添加され
ているものが多い。
POSデータで見ると、 販売量については、 近年、 牛乳が前年同月を下回って
推移しているのに対し、 牛乳タイプ乳飲料は大きく伸びてきている (図13)。
また、 価格は、 以前は牛乳のほうが高かったが、 最近では牛乳がわずかに下がり、
牛乳タイプ乳飲料が値上がり傾向にあるため、 9年度に入り逆転している月が多
くなっている (図14)。
このように牛乳タイプ乳飲料の消費が伸びている要因としては、 POS調査対
象アイテム数がここ3年間で約18%増えているように、 メーカー側の積極的な
新商品開発姿勢があげられる。 一方、 消費者側にも、 牛乳タイプ乳飲料の機能性
が健康志向に合致すること、 今までは価格が牛乳より安かったことなど、 積極的
な受け入れ要因があった。
牛乳と牛乳タイプ乳飲料には、 それぞれの長所があり、 牛乳の 「自然健康食品」
としての価値とともに、 牛乳タイプ乳飲料の機能性に着目する需要もまた持続的
であるとの見方もある。 牛乳タイプ乳飲料の価格が牛乳を上回りつつあるが、 消
費者の牛乳と乳飲料の原料や性質の違いに対する理解が深まるとともに、「牛乳=
安全で健康的な国産畜産物」 との認識が浸透し、 かつ、 消費者の本物志向が牛乳
本来の風味のよさに気づいてゆく中で、 牛乳の消費も再び伸びていくことを期待
する。
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