◎地域便り


「A5」 を造り夢ある 「牛づくり」 を目指す後継者諸君

沖縄県/幸地 基雄


 九州管内県連牛枝肉共励会において見事 「銀賞」 獲得した快挙に喜ぶのは、 沖
縄県立農業大学校 (校長、 知花幸子) の肉用牛専攻コースに学ぶ学生達である。 
同校は、 沖縄本島北部の名護市に位置し、 隣には県北部農業改良普及センターが
あり、 農業教育に恵まれた環境にある。 肉用牛専攻コースには、 1年次13名、 
2年次10名、 計23名 (内、 女子2名) が在学し、 明日の農業経営を夢みて学
んでいる。 直接指導に当たるのは、 山内教授、 安谷屋助教授及び玉代勢助手の3
名である。 

 同校の肉用牛の飼養頭数は、 平成9年11月末現在、 繁殖雌牛18頭、 肥育牛
14頭、 子牛10頭、 計42頭である。 今回の共励会には、 平成9年6月に福岡
県の全農畜産センターにおいて開催され、 九州各県から119頭が出品された。 
沖縄県からは15頭が出品され、 2頭が銀賞の栄誉に輝き、 うち1頭が、 同校の
 「銀晴」 号である。 同校からは、 初出品で初の入賞である。 枝肉成績は、 枝肉重
量438kg、 ロース芯面積59平方メートル、 バラ9.5cm、 BMSNo.1
2と高い評価を受けた。 

 同牛は、 同校自家産牛で、 生後10カ月齢から肥育を開始し、 30カ月齢で出
品した。 父牛は 「晴姫」 (間検DG0.92、 BMS3.2) と母の父 「藤波」 (間
検0.82、 BMS2.1) の県基幹種雄牛の組合せによる系統である。 特に育成
期から肥育期間中の飼料給与については、 粗飼料を先に与えて、 ある程度採食さ
せてから濃厚飼料を給与するなど粗飼料給与にポイントを置いた。 その結果、 管
理技術の確かさが明らかにされた形となった。 

 指導に当たった山内教授は、 「同牛は、育成期及び肥育期間中目立った疾病もな
く順調に仕上がった。 このことから育成期の飼養管理の重要性が再認識できた」 
と話している。 学生の1人は、「朝早くから夜遅くまで牛の管理に頑張ってきたが、 
今度の受賞が大きな励みになった」 と受賞を心から喜んだ様子だった。 幸いにし
て、 県における畜産、 とりわけ肉用牛は、 年々着実に進展している状況にある。 
飼養頭数は平成8年12月末調査で、 史上最高の7万頭余となり13年度県振興
目標の8万頭を上回る勢いである。 今後、 さらなる振興発展を図るために、 同校
学生諸君のますますの精進を祈念し、 担い手としてのバトンタッチに期待したい。
【山内教授と2年次学生】

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