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トピックス/加工乳、乳飲料とも生乳使用割合ゼロの生産比率が低下
5月−748,631トン (▲1.6%)
・1頭1日当たりの平均泌乳量が前年を下回って推移していること等から、北海道
は前年同月を0.6%下回り、都府県ではさらに経産牛飼養頭数の減少もあって
2.4%下回る。全国では9年4月以降、概ね前年同月を下回って推移。
北海道:5月−27.3kg(▲1.1%)
都府県:5月−26.3kg(▲0.8%)
6月−26.1kg(▲0.8%、速報値)
・北海道は、10年9月以降伸びが鈍化し、11月以降は概ね前年同月をわずかに下
回って推移。
・都府県は、平成10年度は概ね前年並みで推移したが、11年4月以降、前年同月
をわずかに下回る。
5月−427,159 トン(▲3.2%)
・9年10月以降、ほぼ前年同月を下回って推移。
・飲用牛乳の生産が減少傾向である一方、はっ酵乳等の生産は引き続き増加傾向。
飲用牛乳のうち加工乳は、9年11月以降前年同月を下回って推移し、5月は65,
296kl(▲2.6%)。
5月−335,582kl(▲3.3%)
・9年10月以降、前年同月を下回って推移し、5月もやや下回る。
5月−乳飲料 105,502kl( 3.5%)
はっ酵乳 66,396kl(17.7%)
・消費者の健康志向、メーカーの機能強化タイプを中心とした積極的な商品開発
等を背景に、9年10月まで両アイテムとも2桁の伸び。
・乳飲料は、前年同月を概ね上回って推移しているが、10年度以降伸びが鈍化。
・はっ酵乳は、8カ月連続で2桁台の伸び。
5月−312,719トン (0.7%)
・10年10月以降前年同月を下回って推移したが、11年2月以降上回る。
・チーズ生産量は10,096トン(▲2.3%)、うち直接消費用ナチュラルチーズは1,
180トン(▲2.7%)とともに前年同月を下回る。
・生クリーム等生産拡大促進事業の効果等から伸びてきたクリームは、5月は5,9
89トン(20.4%)と4カ月連続で大幅な伸び。
5月の生産量−17,695トン (▲6.6%)
・10年9月以降、脱脂濃縮乳仕向けの急増等から概ね前年同月を下回って推移。
・推定出回り量は18,900トン(1.5%)。推定期末在庫量は、53,900トン(▲20.1
%)と前年同月を大幅に下回る。
・事業団は、2月25日に落札決定した11年度カレントアクセス分の脱脂粉乳10,80
0トンの約95%に当たる10,254トンについて、5月中に検収を完了。
5月−13,643円/ 25kg (▲0.5%)
・9年4月以降、ゆるやかな値下がり傾向。
・11年2月以降4カ月連続の同価格で、安定指標価格(13,090円/25kg)を4.2%上
回る。
5月の生産量−8,240トン (▲7.6%)
・5月はクリーム生産量の大幅な伸び等から3カ月ぶりに前年同月を下回る。
・推定出回り量は5,600トン(▲22.3%)。推定期末在庫量は35,200トン(20.0%)
と前年同月を大幅に上回る。
5月−985円/kg(▲0.8%)
・在庫量の増加を反映し、緩やかな値下がり傾向。
・5月は1円下げ、3カ月連続の下げとなる。
・11年度の安定指標価格については、内外格差の縮小、消費の拡大を図る観点か
ら、24円引き下げられ、931円/kgとなっている。
加工乳、乳飲料とも生乳使用割合ゼロの生産比率が低下
事業団がまとめた「加工乳・乳飲料等の生産実態調査」(9年度の実態を10年
度に調査実施)の中から加工乳及び乳飲料(無色)について、乳脂肪分、無脂乳
固形分、生乳使用割合の動向を8年度調査結果(9年度に調査実施)と比較しなが
ら見ていきたい。
この調査は、業務の参考に資するため、(1)加工乳、(2)乳飲料、(3)は
っ酵乳及び(4)生クリーム等の4品目について、成分等の生産実態を財団法人経
済調査会に委託して調査したものである。
加工乳・乳飲料の調査対象は、全国でこれらを生産している大手3社(雪印乳
業(株)、明治乳業(株)及び森永乳業(株))と農協プラント系、中小系から
選定した230工場である。調査票が回収されたのは183工場、回収率は79.6%であ
った。
1 乳脂肪率
加工乳は8年度と比較すると、「低脂肪(1.5%以下)」が0.7ポイント低下し、
「特濃(3.8%以上)」が1.5ポイント上昇。引き続き「低脂肪」と「特濃」で8割
弱を占める(図11)。
乳飲料(無色)では1%台が中心となっており、2.4ポイント上昇。「1.0%未満」
は1.5ポイント低下した(図12)。
2 無脂乳固形分率
加工乳は8%台が1.8ポイント上昇し、10%台が1.5ポイント低下。引き続き両者
で96%程度を占める(図13)。
乳飲料(無色)では8〜9%台が7.7ポイント低下し、10〜11%台が9ポイント上
昇。両者で98.5%を占める(図14)。
3 生乳使用割合
加工乳は「0%」が1.7ポイント低下した他、「40%以上80%未満」で低下し、
「0%を超え40%未満」と「80%以上」で上昇している(図15)。
乳飲料(無色)では引き続き「0%」が主流で5割弱を占めるが、4.6ポイント
低下。「80%以上」を除く他の全ての区分が上昇している(図16)。
牛乳の生産量が減少している中、3月に決定された「新たな酪農・乳業対策大
綱」では牛乳類の表示の適正化について「原則として生乳を主な原料とするもの
に限って『牛乳』の文言の使用を認める等、牛乳類の表示の改善を図り、これを
契機として国産牛乳類の消費拡大を図る。」としている。同調査によると、乳飲
料(無色)の生産は前年度の約1.3倍と大きく伸びているが、生乳使用ゼロの割合
は低下したものの5割弱を占め、全体の9割以上が生乳使用割合50%以下にとどま
っている。
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