★ 事業団から


牛乳の小売価格はわずかに低下
牛乳等の小売価格及び牛乳・乳製品等の消費動向調査から

企画情報部情報第一課


 牛乳・乳製品等の消費動向を的確に把握するため、当事業団では、社団法人食
品需給研究センターに委託して「牛乳等の小売価格及び牛乳・乳製品等の消費動
向調査」を毎年実施している。10年度に実施した調査の概要を紹介したい。なお、
文中( )内の数字は、前年度からの増減を示す。

(調査方法、用語の説明等については、文末参照)


牛乳等の購入状況

購買行動

@ 購入状況

 10年度に4回の小売価格調査を実施した結果、牛乳等を購入した延べ3,995世帯
のうち、牛乳を購入した世帯は86.2(▲0.4)%となっており、低脂肪牛乳が20.6
(0.1)%、乳飲料が16.0(0.3)%、濃厚牛乳が4.1(▲0.6)%となっている(複
数回答)。なお1000ml紙容器入り牛乳の購入世帯は牛乳購入世帯の92.5%を占め
ており、牛乳の購入は1000ml紙容器入り牛乳が主流になっている。

A 購入先

 1世帯1週間当たりの飲用牛乳(牛乳及び加工乳)購入量を購入先別構成比でみ
ると、量販店(スーパーマーケット、百貨店、生活協同組合等)が71.3(1.7)
%で最も高く、次いで集団購入の13.5(▲0.1)%、CVS(コンビニエンスストア)
の6.7(▲0.6)%、家庭配達の5.9(▲0.1)%となっている。

◇図1:牛乳等の種類別購入世帯割合◇

◇図2:飲用牛乳の購入先別購入量構成比◇

A 購入数量

 1世帯1日当たりの飲用牛乳購入数量は544.9(▲17.7)mlで、その内訳は牛乳が
457.3(▲16.6)ml(構成比83.9(▲0.3)%)、低脂肪牛乳が77.4(1.9)ml(同14
.2(0.8)%)、濃厚牛乳が10.2(▲3.0)ml(同1.9(▲0.4)%)であった。

◇図3:1世帯1日当たりの飲用牛乳購入数量内訳◇


購入価格

@ 種類別購入価格

 1000ml紙容器入りの牛乳等の種類別購入価格は牛乳が194.09(▲1.38)円、低
脂肪牛乳が162.84(5.84)円、濃厚牛乳が239.91(1.91)円となっている。また、
乳飲料は179.64(3.20)円、LL牛乳(ロングライフミルク)は191.51(▲17.49)
円であった。

 過去10年間の推移をみると、牛乳の価格は概ね横ばいで推移しており、価格が
安定していることを示している。

A 購入先別購入価格

  1000ml牛乳は、家庭配達が237.65(3.55)円で最も高く、次いでCVSの206.85
(0.02)円、集団購入の205.19(1.85)円、量販店の188.96(▲1.75)円となって
おり、購入先別に価格差がある。

◇図4:飲用牛乳(1000ml紙容器入り)の種類別購入価格の推移◇

◇図5:1000ml牛乳購入先別価格◇


乳製品の消費動向

はっ酵乳(ヨーグルト)

@ 購入頻度

 はっ酵乳を購入している世帯は、調査対象世帯の92.2(1.6)%であり、購入頻
度は「週1回位」が29.6(1.6)%で最も高く、次いで「週2〜3回位」の27.7(0.0)
%、「月に数回」の18.3(▲0.7)%等になっている。

A 商品タイプ別購入割合

 購入しているはっ酵乳の商品タイプ別では、「プレーンタイプ」が62.5(▲5.2)
%で最も高く、次いで「ドリンクタイプ」の30.3(▲4.2)、「ハードタイプ」の
27.9(2.1)%、フルーツタイプ26.0(1.6)%、フローズンタイプ8.4(2.2)%等
の順であった(複数回答)。 

 昨年度に比較し、プレーンタイプ及びドリンクタイプの割合が低下し、ハード
タイプ、フルーツタイプ、フローズンタイプの割合が上昇している。

A 今後の消費意向

 今後の消費意向については「今のまま」が64.5(1.1)%を占めているが、「増
やしたい」も29.5(0.4)%と約3人に1人の割合になっており、牛乳や他の乳製品
に比べると引き続き購入意欲を持っている人が多い。

◇図6:はっ酵乳の購入頻度◇

◇図7:はっ酵乳の商品タイプ別購入割合◇

◇図8:はっ酵乳の今後の消費意向◇


チーズ

@ 購入頻度

 購入頻度は「月に数回」が33.5(▲2.5)%で最も高く、次いで「月に数回以下」
の29.9(3.3)%、「週1回位」の22.5(2.4)%の順になり、「ほとんど購入しな
い」は8.2(▲0.5)%と1割以下であった。

A 主な利用法

 家庭におけるチーズの利用法については、「パン食用」が47.1(1.3)%で最も
高く、次いで「料理用」の42.7(▲3.6)%、「おつまみ用」の34.7(▲2.0)%、
「ピザ用」の24.6(▲1.5)%、「おやつ用」の14.5(▲0.8)%、「朝食用」の14
.4(3.6)%の順になっている(複数回答)。

 世帯構成員別にみると、「パン食用」が最も高いのは高齢者のみの世帯(49.4
%)「料理用」が最も高いのは6〜11歳の子供がいる世帯(46.2%)、「おつまみ
用」が最も高いのは高齢者のみの世帯(46.9%)となっている。また、「ピザ用」
と「おやつ用」は子供のいる世帯で比較的高く、「おつまみ用」は高齢者のみの
世帯及び子供がいない世帯で比較的高いなど、若干の差異ががみられる。

A 今後の消費意向

 今後の消費意向についてみると、「今のまま」が69.0(▲3.3)%と半数以上を
占めているが、「増やしたい」が22.8(1.0)%あり、今後も消費が拡大するもの
と予測される。

◇図9:チーズの購入頻度◇

◇図10:チーズの主な利用法◇

◇図11:チーズの今後の消費意向◇


[調査方法等]

(1)調査対象

 札幌、東京、名古屋、大阪及び福岡の 5 地区のそれぞれ200世帯、計1,000世帯
とした。

  世帯構成区分
	@0〜5歳の子供がいる世帯		
	A6〜11歳の子供がいる世帯	
	A12〜19歳がいる世帯
	C子供がいない世帯	
	D高齢者のみの世帯

  約束事項
	(1)@とAの両方に子供がいる場合はAを優先
	(2)AとAの両方に子供がいる場合はAを優先
	(3)@とAの両方に子供がいる場合はAを優先
	(4)@とAとAのそれぞれに子供がいる場合はAを優先
	(5)Cには高齢者(ここでは60歳以上)を含む場合もある。

(2)調査事項

 @牛乳等の小売価格実態調査−4半期に1回、年4回実施

  牛乳等(牛乳、加工乳、乳飲料)に関する種類別の小売価格、購入数料、購
 入方法等

 A牛乳・乳製品等の消費動向調査−年1回実施

  ・牛乳、加工乳、乳飲料に関する種類別の購入状況及び今後の消費意向等
  ・牛乳の料理における利用状況
  ・乳製品(はっ酵乳、アイスクリーム、チーズ)の購入状況及び今後の消費
   意向等

(3)調査方法

 調査員が調査票を調査対象世帯へ配布し、1週間留置き記入後、回収

(4)牛乳等の区分
kubun.gif (5655 バイト)

(5)購入価格

 購入価格は消費税込みとした。

〈お問合せ先〉 農畜産業振興事業団企画情報部情報第一課
           担当 武田  電話 03−3583−8545   
                 FAX 03−3584−1246

*報告書をご希望の方は、FAXでお申し込みください。ただし、部数に限りがあ
 ります。

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