◎地域便り


肉用牛改良、着々と進む

鹿児島県/竹迫 良和


 鹿児島県では、昨年2月の間接検定において脂肪交雑日本一の「金幸」号が誕
生した。一般的な肥育期間に比べ、半年以上も短い12カ月肥育ながら、下の間接
検定枝肉写真のように、すばらしい産肉性を持っていることがわかった。

 また本県では、この「金幸」号の脂肪交雑4.0を筆頭に、平成8年以降、脂肪交
雑3.0以上を記録したものは9頭(平成11年6月現在)となっており、続々と優秀
な種雄牛を造成している。これらの種雄牛は、肉質ばかりでなく増体能力にも優
れている。鹿児島県が目指してきた「質量兼備」の種雄牛造成が着実に成果とし
て現れてきたといえる。

 鹿児島県では、他県に先駆け、いち早く産肉能力中心の種雄牛造成に着手し、
産肉能力の優れた雌牛の発掘とその雌牛の能力を活かすべく優秀な種雄牛との計
画交配を進めてきた。さらに、現在では育種価等の手法も取り入れた計画交配を
基本に県を挙げて、種雄牛造成の取り組みを行っている。

 また、このように、これらの種雄牛が産肉能力を発揮できた背景には、種雄牛
の改良とあわせて本県の雌牛の産肉能力も確実に上がってきたこともある。脂肪
交雑の育種価の遺伝的能力も上昇し、さらにロース芯面積やばらの厚さ、皮下脂
肪の遺伝的能力も確実に改良がなされ、鹿児島県の肉用牛改良が順調に進んでい
ることが実証できた。

 鹿児島県は、子牛価格から見ると、他県に比べ、改良が遅れているかのように
みられがちであるが、本県産の多くの繁殖雌牛が他県においても育種価が高いと
して評価されているのも事実である。

 これからも、本県においては、産肉能力の高い種雄牛が造成されることが期待
され、これらを活用することでさらに改良が進み、鹿児島県の肉用牛の評価が高
まることは間違いないと思われる。

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【鹿児島県の種雄牛金幸号、脂肪交雑4.0の高成績】


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