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トピックス/「上」以上の率、一貫経営で50〜59%が多数
格付け結果及び調査結果の概要
9月−70,354トン(▲5.4%)
・と畜頭数の減少等から前年同月をやや下回る。
・と畜頭数は、1,365千頭(▲5.3%)。
・平均枝肉重量(全国平均)は、73.6kg/頭( ▲0.1%)と11カ月ぶりに前年同
月を下回る。
肉豚生産出荷予測
資料:農林水産省畜産局「肉豚生産出荷予測」(平成11年10月29日公表)
9月−46,371トン(14.1%)
・4月から9月の累計は22.7%増。
冷蔵品は、15,863トン(24.2%)と前年同月を大きく上回る。
・冷凍品は、30,505トン(9.4%)となり、
10年10月以来8月を除いて前年同月を大きく上回って推移。
輸入見込数量(農畜産業振興事業団調べ)
9月の米国産−14,205トン(8.8%)
・冷蔵品は、10,037トン(17.1%)と2カ月連続で前年同月を上回る。
・冷凍品は、4,167トン(▲7.2%)と、5カ月連続で前年同月を下回る。
デンマーク産−10,701トン(14.1%)
・11年3月以降高水準の輸入量が続いたが、現地在庫の減少等を受けて8月から
減少。
・冷凍品全体に占める割合は、35.0%に減少。
9月−125,661トン(1.0%)
・国産品は、71,705トン(▲4.8%)と2カ月連続で前年同月を下回る。11年度累
計では1.2%減少。
・輸入品は、53,956トン(9.8%)と3カ月連続で前年同月を上回る。11年度累計
では8.2%増加。
9月−398g/人(▲2.5%)
・10年12月以来、9カ月ぶりに前年同月を下回る。
8月の加工仕向肉量−33,046(2.1%)
・国産品は、8,751トン(▲8.5%)と12カ月連続で前年同月を下回る。輸入品は、
24,295トン(6.5%)と7カ月連続で前年同月を上回る。
9月−83,904トン(7.9%)
・輸入品在庫は、66,764トン(4.9%)と7月の8万4千トンをピークに減少。
・4カ月連続で前年同月を上回る。
9月−503円/kg(▲0.2%)
・8月に4カ月ぶりに前年同月を上回ったが、9月は例年のように月央から徐々に
値を下げ、再び、前年同月を下回る。
10月(速報値)−384円/kg(▲6.1%)
・と畜頭数は前年同月をかなり下回ったが、消費の低迷、輸入冷蔵品の増加等か
ら前年同月をかなり下回る。
9月 冷凍品「うで」−396円(▲10.2%)
同 「もも」−438円(▲2.4%)
・うでは、3カ月連続で同じ値となり、10年11月以降前年同月を下回って推移。
・ももは、前月よりも値を下げた。8年10月以降、前年同月を下回って推移。
9月 米国産「ロース」−649円/kg(▲15.3%)
・9年10月以降、前年同月を下回って推移。
9月デンマーク産「ばら」−477円/kg(▲8.6%)
・9年11月から23カ月連続で前年同月を下回る。
・前月よりも値を上げる。
「上」以上の率、一貫経営で50〜59%が多数
社団法人中央畜産会は、養豚経営者に対し肥育豚の出荷状況等についてのアン
ケート調査を実施し、「養豚経営実態調査報告書」(調査時期:11年1月、集計
件数2,442件(一貫経営1,881件、肥育専門経営149件、子取り専門経営412件))
を公表した。
1年間の格付け結果の「上」以上の率は、一貫経営では、最も多いのが「50〜
59%」の32.4%、次いで「60%以上」の31.6%となっている(図11)。1年間の肉
豚出荷頭数別にみると、「3,000頭以上」の階層は「60%以上」が40.6%と高くな
っている。反対に「299頭以下」の階層は「50〜59%」と「60%以上」を合わせ
ても半分に満たない。
肥育専門経営では、最も多いのが「40〜49%」で29.5%、次いで「39%以下」
の28.1%、「50〜59%」の25.9%となっている(図12)。一貫経営と比べて、
「上」以上の率が低いのは、肥育用素豚のばらつきによるものと考えられる。ま
た、出荷頭数が多くなるほど「上」以上の率は低くなることは、一貫経営とは対
照的な傾向にある。
格付け結果及び調査結果の概要
豚の枝肉は、重量、背脂肪の厚さ、外観、肉質が格付けの基準となる。
社団法人日本食肉格付協会が公表した「格付け結果及び調査結果の概要」(調
査対象期間:平成10年1月1日〜12月31日、調査対象:格付けされた枝肉の総頭数)
で、「上」以上の枝肉の重量及び「上」に成り得なかった「中」の枝肉について、
重量、品質欠格要因についてみてみたい。
「上」以上(調査頭数:2,222,416頭、全国)に格付けされた枝肉の重量分布を
みると65kg以上〜69.9kg以下のものが21.5%、70kg以上〜74.9%以下のものが47.0
%、75kg以上80kg以下のものが31.5%である(図13)。「中」(調査頭数:1,533
,466頭)では、「上」以上の重量範囲のものが74.2%、「上」の下限重量に満た
ないものが12.9%、「上」の上限重量を超えたものが12.8%である。
枝肉重量が「上」の重量範囲にありながら、「上」になり得なかったものの品
質欠陥要因についてみると、「均称・肉づき」や「脂肪の厚さ」といった外観を
要因とするものが多い。
「中」の65kg以上〜69.9kg以下では、「均称・肉づき」が46.9%と多い(図14)。
均称では、枝肉はおおむね長方形が理想であるが、ももの貧弱等により形が崩れ
たものが要因として多い。肉づきは、ロース部が充実していることが理想である
が、肋骨のわん曲度の貧弱なものが要因として多いという。次いで「薄脂(背)」
が22.7%となっている。70kg〜74.9kgでは「厚脂(背・全体の被覆)」が34.7%、
次いで「厚脂(腰・肩)」が25.3%となっている(図15)。75kg以上〜80kg以下
では、体重の増加とともに脂の増加も多くなり「厚脂(背・全体の被覆)」47.4
%、次いで「厚脂(腰・肩)」が30.4%となっている(図16)。
性別では、去勢はめすよりも増体して脂がつきやすい。このため、格付け結果
で「上」以上の率は、めす(調査頭数2,268,957頭)の52.1%に比べ、去勢(調査
頭数:2,236,201頭)は44.4%と厚脂等の理由から低くなっている(図17)。
一般に豚肉においては、「上」以上の枝肉を生産出荷することがねらいである。
近年、「上」以上に格付けされる率は上がっており、生産者の努力により豚の飼
養管理の技術が向上されていることがわかる。
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