◎地域便り


裏山を活用し放牧開始     

島根県/土江 博


 島根県平田市奥宇賀町の米江徳次さん(59歳)は、現在繁殖和牛11頭を飼養し
ている。また、林業関係でも活躍している。

 米江さんの牛舎内は、いつも清潔に保たれており、繁殖成績は、1年1産に近い
好成績を上げている。

 管内では、裏山放牧、水田放牧等の推進を図っているが、ちょうど米江さんの
牛舎の裏側は、栗園が広がり放牧を行うにはまさに適地であった。

 そこで、平成10年度に、畜産再編総合対策事業の「山地畜産確立促進事業(傾
斜地等活用促進)」を導入し、経営の安定、低コスト生産、粗飼料自給率の向上
等を目指して、栗園を含めた山林1haを共同放牧地(シバ放牧地)に活用するこ
とした。

 放牧地は、妊娠牛を中心とした粗放管理牧区と集約牧区(子連れで、種付けの
必要な母牛)に区分けしてある。

 特に、集約管理牧区では、従来親子放牧で子牛の発育遅延が課題となっていた
が、発育初期の子牛発育確保のための試みとして、子牛を牛舎内で、母牛は昼間
に放牧地で管理する制限哺乳方式を採用している。

 現在の放牧地は、1haであるが将来的には3ha位までは拡大したいと抱負を語っ
ている。

 このような取り組みを契機に、管内各地に放牧の機運が高まり、肉用牛振興に
つながることが期待される。
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【牛舎横の栗園を活用】
 

 

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【栗園でのびのびと放牧される母牛】

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