牛 肉・肉用子牛

牛 肉



◇図1:牛肉の生産量◇

10月−32,085トン(▲5.0%)

・7年以降、基調としては減少傾向であったが、10年6月から概ね前年同月を上
 回った。

・10月は前年同月を下回り、10年度累計では、0.2%減。

・枝肉重量は、10月はめす和牛が0.7%減。その他はわずかに増加傾向。


◇図2:牛のと畜頭数◇

10月の和牛−50,016頭(▲5.9%)
   乳牛−62,607頭(▲5.5%)

・和牛は、去勢は 3 カ月連続で前年同月を下回り、めすは 2 カ月連続で下回る。
・乳牛は、去勢は 5 カ月ぶりに前年同月を下回り、めすは14カ月連続で下回る。


◇図3:牛肉の輸入量◇

10月−51,690トン(▲17.1%)

・冷蔵品は、米国産、豪州産ともに前年同月を下回り、合計で20.6%下回る。
・冷凍品は、 7 月、 8 月の増加から抑えられ、前年同月を13.0%下回る。

輸入見込数量(事業団調べ)
	


◇図4−1:米国からの牛肉輸入量◇

◇図4−2:豪州からの牛肉輸入量◇

10月の米国産−24,940トン(▲19.3%)

・原産地高等から、冷蔵品は3ヵ月連続で、冷凍品は2ヵ月連続で前年同月を下
 回る。

   豪州産−24,585トン(13.9%)

・国内相場軟化等から、冷蔵品は3ヵ月連続で、冷凍品は2ヵ月連続で前年同月
 を下回る。


◇図5:牛肉の推定出回り量◇

10月−86,364トン(▲9.0%)

・輸入品は60,125トン(▲2.3%)、国産品は26,239トン(▲21.4%)で、合計で
 は 4 カ月ぶりに前年同月を下回る。

・10年度累計では、1.0%増。


◇図6:牛肉の家計消費量( 1 人当たり)◇

10月−259g/人(▲5.6%)

・ 9 年12月以降は、消費支出が低迷する中で、10年 6 月を除き、前年同月を下
 回って推移。


◇図7:牛肉の推定期末在庫量◇

10月−93,621トン(▲2.7%)

・国産品は4月以降前年同月を上回って推移し、10月は17,739トン(69.9%)と
 大幅に増加

・輸入品は75,882トン(▲11.6%)と、 2 カ月連続で前年同月を下回る。


◇図8:牛肉の卸売価格(東京・省令)◇

10月−1,009円/kg(▲14.6%)

・10年度に入って、F1価格が低下してきたこと、長引く消費不振の影響等から1
 月以降前年同月を下回って推移。


◇図9:牛肉の卸売価格(東京、和牛去勢)◇

10月のA 5 −2,392円/kg(▲2.0%)

・ 6 カ月ぶりに前年同月を下回る。  

   A 3 −1,576円/kg(▲6.0%)

・5カ月連続で前年同月を下回る。A2は、1月以降、前年同月を下回って推移。


◇図10:牛肉の卸売価格(東京、乳去勢・F1去勢)◇

10月の乳去勢B 2 −584円/kg(▲28.2%)

・消費低迷の中、需要が他品目へ移行していること等から、前年同月を大幅に下
 回る。

   F1去勢B 3 −1,237円/kg(▲14.7%)

・消費低迷の中、全国的な取引頭数の増加もあり、5カ月連続で前年同月を下回
 る。B 2 は、 9 年11月以降、前年同月を下回って推移。


◇図11−1:米国産牛肉の仲間相場◇

◇図11−2:豪州産牛肉の仲間相場◇

10月の米国産冷蔵リブアイロール1,920円/kg(11.8%)

・輸入価格の上昇、ロイン輸入量減少による品薄等から、2月以降前年同月を上
 回る。

   豪州産冷蔵グラス・フルセット−512円/kg(▲10.8%)
・7月まで 3 カ月連続で前年同月を上回ったが、以降 3 カ月連続して下回る。


肉用子牛

◇図12:肉用子牛(黒毛和種)の市場取引価格◇

10月の頭数−20,569頭(▲6.3%)

・母牛頭数の減少等から、基調としては前年同月比で減少傾向。

10月の価格−372千円(1.9%)

・8年11月以降、基調としては、前年同月比でわずかに低下傾向。しかし、10年
 7月、 9 月、10月と前年同月を上回る。


◇図13:肉用子牛(ホルスタイン)の市場取引価格◇

10月の子牛価格−73千円(▲39.0%)

・取引頭数は大幅減少だが、枝肉価格の大幅低下等から、9年10月以降、前年同
 月を下回って推移。 4 月に 2 年ぶりに10万円を割り込み、低下続く。

   ヌレ子価格−14千円(▲50.1%)

・子牛価格の低下等から、前年同月を大幅に下回り、 2 万円を大きく割り込む。


◇図14:肉用子牛(F1)の市場取引価格◇

10月の子牛価格−156千円(▲24.8%)

・枝肉価格の低下、取引頭数の増加等から、9年9月以降、前年同月を下回って
 推移。 4 月に 9 カ月ぶりに20万円を割り込み、低下続く。

   ヌレ子価格−55千円(▲42.4%)

・子牛価格の低下、取引頭数の増加等から、ほぼ一貫して低下。


トピックス

F1の枝肉価格、子牛価格の低下続く


◇図15:牛肉の卸売価格(東京、対前年同月比)◇

◇図16:牛肉の卸売価格(東京、対前年同月比)◇

◇図17:F1子牛の取引頭数と価格(対前年同月比)◇

 F1去勢の枝肉価格は、7年11月以降 20 年近く上昇傾向が続いたこと、価格的
に競合する和牛去勢A 2 と乳牛去勢B 2 がそれぞれ低下傾向に転じたこと等から
低下傾向に転じた。F1去勢はB2が 9 年11月以降12カ月連続して前年同月を下回
り、B 3 も10年6月以降 5 カ月連続して下回っている。(図15、16)。乳用肥育
おす牛の枝肉生産量は、 8 年 1 月以降ほぼ一貫して前年同月を下回って推移し
てきたが、10年 5 月から 4 カ月連続して上回ったことも、価格の低下に影響を
与えていると考えられる。

 F1子牛の取引は、取引頭数の急拡大にもかかわらず、極めて堅調に推移してき
た。しかし、枝肉価格が前年同月を下回ってきたこと、市場への子牛供給頭数が
高水準であったこと等から、 9 年 9 月以降、取引価格は前年同月を下回って推
移し、10年 4 月以降、急激に低下している。(図17)。


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