◎地域便り


特産物を生かした銘柄豚、奥入瀬ガーリックポーク

青森県/吉田 葉子


 奥入瀬ガーリックポークの生産地である青森県十和田市は、八甲田山系の太平 
洋側に広がる平野に位置し、古くから養豚が盛んな地域である。 

 十和田市の豚飼養頭数は 7 万 3 千頭で、県全体(平成10年、39万8千頭、全 
国第8位)の約18%を占めているほか、ニンニクの生産量(本県の生産量は全国 
第1位)も県内トップであるなど畑作や水稲も盛んで、養豚経営から出るふん尿 
が堆きゅう肥として活用されているなど、耕種農家と畜産農家のバランスがとれ 
た地域である。 

 この地域では古くから肉牛農家が牛を丈夫に育てるためニンニクを給与してい 
た。JA十和田市ではこのことに着目し、本市ならではの銘柄豚ができないものか 
と約6年ほど前から養豚部会が中心となって豚に対するニンニク粉の給与試験を 
県畜産試験場に依頼し、養豚農家自らも試験給与するなど給与法の確立に務めて 
きた。 

 この試験研究の結果、ニンニクを給与した豚肉はやわらかく、肉色も良くなる 
ことが分かった。特にニンニクを給与した豚肉は、ビタミンB1が通常のものの1.5 
倍となり栄養価が高まったことや、ニンニクの作用によって豚が健康に育つうえ、 
抗生物質等の使用が少なくてすむなど、安全でヘルシーな豚肉を安定的に生産で 
きるようになった。 

 特色ある畜産物としての流通・販売を目指し、JA十和田市では8年ごろから試 
験販売を始めたが、9年7月のキャンペーンの際にテレビの情報番組で全国に放 
映されたことから大盛況となり、本格的な販路拡大に乗りだして年々出荷頭数も 
拡大している。現在では、横浜高島屋をはじめとする県外の有名百貨店や県内の 
スーパー、精肉店、生協などで販売しているほか、FAXやインターネットでの注 
文にもきめ細かく対応している。 

 年間出荷頭数はまだ千頭程度であるが、安全で安心な畜産物を求める消費者の 
ニーズを追い風に、JA十和田市と 3 戸の生産者とが協力し、今後は 5千頭を目 
標として、地域資源の有効活用による地域特産物としての銘柄確立を目指してい 
る。 
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【各種イベントで、行列ができる】

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