◎地域便り


山の牧場で遊ぼう!       

岩手県/小岩 一幸


 岩手県南の一関市、花泉町、平泉町の3市町をエリアとするJAいわて南(鈴木
哲郎組合長)は、地域の子供たちに畜産に対する理解を深めてもらおうと、管内
唯一の公共牧場である須川牧場を舞台に、“山の牧場で遊ぼう!カーフ・スクー
ル事業”を、平成11年10月1日(金)と4日(月)の両日に実施した。

 本事業は、前年度に実施した“活き生きちくさんファーマーズ小学校へ行く事
業”に続く、一関地方振興局の地域活性化調整費を活用した事業で、“活き生き”
での訪問先の児童(5校221名)から、実際に牛を見て(触って)みたいという要
望が多く出されたことから、前年度事業のバージョンアップ版として計画された
ものである。対象は、1日が達古袋小学校の1〜6年生(53名)と山谷小学校の2〜
4年生(18名)、4日が赤萩小学校の5年生(55名)と市野々小学校の3・4年生
(12名)の計138名。

 10時30分に牧場内の「畜魂碑」前に集合した児童は、牧場長より、同碑建立の
目的(自らの命をかけて我々に牛肉を与えてくれる牛に対して、常に感謝の気持
ちを忘れないこと。)や一関地方の畜産、牧場の役割等について、クイズを交え
て分かりやすく説明を受けた後、牧区に移動し、牛の追い込み作業に挑戦した。

 牛を興奮させないため、選ばれた15名の児童で行われたが、あらかじめ教えら
れた「ホー、ホー」という掛け声や手をたたいて牛を誘導し、10分程度で25頭の
牛をパドックに収容すると、見ていた児童から思わず拍手がわいていた。

 この後、獣医師から牛の体の構造や病気等について学び、さらに、健康診断の
一貫として、聴診にも挑戦した。子供たちは、「人より鼓動が早い」、「ドクン、
ドクンと大きな音がした」等、友達同士で興奮気味に話し合っていた。

 昼食には主催者が用意した「いわい牛」のももの丸焼きに舌鼓を打っていたが、
普段は食が細い子供たちも競い合っておかわり(最高10回)し、担任の先生も驚
いていた。
 両日とも天候に恵まれ、子供たち(先生も?)は、牧場での楽しい一時を過ご
していたが、スタッフ一同、この中から1人でも多くの畜産後継者が育ってくれ
ることを祈りつつ、成功裏に事業を終えた。
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【みんなも獣医さんコーナー】

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