福井県/井部 正興
大野市南六呂師にある六呂師高原スキー場で、第17回「すすき祭」が開催され た。スキー場およびその周辺には約100ヘクタールのすすきが群生しており、す すきの穂がたなびく中、スキー場にはホルスタイン種の育成牛が放牧されている。 六呂師高原では、昭和46年に県営の福井県奥越高原牧場が設置され、スキー場 を含め270ヘクタールの草地に常時約300頭が放牧されている。これにより、スキ ー場のすすき等の草刈りはしなくてもよくなったのである。また、スキー場のふ もとには、奥越酪農団地が造成され、モーモーアイスクリーム&ミルクが販売さ れるなど、畜産と高原の活性化が結びついた良い例と言えよう。 さて、第17回すすき祭。前日の雨も上がり、遠くは石川県からも訪れ、約6,0 00人が高原の秋を満喫した。会場のスキー場駐車場入口には、すすきと秋の草花、 木の実等で飾り付けたゲート(すすきDEゲート)が来場者を歓迎し、「馬に乗っ てみよう!自然の中で…(出張体験乗馬)」「すすき茶屋(牛乳・だんご汁・栗 赤飯・山菜おこわ・山家そば・白山やまぶどう他多品目がある。)」「ガーデン レストラン(ハーブを使った肉・魚・スープ・オードブル等を!)」「若狭牛バ ーベキュー会(大好評の若狭牛に野菜が付いて、高原での炭火焼を!)」等々、 楽しいイベントが盛りだくさんであった。ファミリーで、カップルで、仲間同志 で見る、食う、遊ぶと高原の秋の1日を満喫していた。特に高原で飲む牛乳はお いしさが増すのか人気が高く、予想以上の販売となった。 また、会場までの牧草地へ続く道には黄花コスモスが咲き乱れ、スキー場にい る放牧牛を背景に緑色と黄色のコントラストは市街地の雑風景から逃れられ、ひ とときといえども、心の安らぎが感じられるものである。
【スキー場の放牧牛を眺めながら】 |