◎地域便り


広島県立畜産技術センター、創立100周年

広島県/仙波 豊三


 2000年というこの大きな節目に、広島県立畜産技術センターは、創立100周年
を迎えた。明治33年(1900年)に、農商務省がここ広島県北部、現在の庄原市七
塚町に国立七塚原種牛牧場を開設したのが原点で、その後、大正12年(1923年)
には、広島県へ移管され、種畜場時代を経て、昭和47年(1972年)に畜産試験場
となるなど、農業・畜産の発展と時代の要請により変遷しながら、今日まで一貫
して畜産技術の開発・普及の拠点として、あるいは地域における畜産の故郷とし
てあり続けている。

 その畜産技術センターの一画で毎年実施してきた「広島ふるさと畜産まつり」
を、今年はこの100周年記念式の協賛行事として開催することとし、10月22日
(日)、同センターの芝生広場に設けられた舞台で挙行された100周年記念式典
は、厳粛のうちにも、華やかさを添えて盛り上がった。

 この日は、前日の雨も上がり、同センターのOBが家族連れで参加するなど、
老若男女、参加者総数約6,000名と記録を更新した。

 広島牛の丸焼コーナーは、毎年の人気コーナーの1つであるが、今年は、これ
に加えて広島県食肉事業協同組合連合会がクローン牛肉の安全性を啓発するため、
県内初めてのCビーフ(クローン牛肉)無料試食コーナーを開設した。広島市か
らも消費者代表が参加するなど、老若男女が長い列を作って辛抱強く順番待ちを
するなど、ことのほか盛況であった。

 クローン牛肉は、同センターが生産した広島牛の受精卵クローン牛を肥育農家
で肥育したもので、参加者は特にためらう様子も無く一様に「柔らかくておいし
かった」と上々の評判であった。

 同センターでは、今や先端技術を駆使した家畜改良もメインテーマの1つで、
100年の歴史と伝統の上にますます地域に密着した技術開発、特に広島牛の改良
には力をつくしてほしいとの期待も大きく、その成果が待たれる。

 また、毎年実施される「広島ふるさと畜産まつり」が、生産者と消費者の交流
の場となり、正しい畜産物の知識啓発の場として活用され、ますます発展するこ
とが期待される。
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【明治33年創立、一貫して
技術開発・普及の拠点】

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【Cビーフバーベキュー】

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