長崎県/富永 祥弘
平成12年10月4〜6日、(社)日本あか牛登録協会および(社)全国肉用牛協会 の主催で、平成12年度全国あか牛研究大会が長崎県対馬の豊玉町を中心に行われ た。 この大会は、全国のあか牛関係者が集まり、あか牛についての情報交換、生産 技術の研修を行い、さらに交流と親睦を深めるものである。 離島で初めての開催となった今大会では、「増やそう!伸ばそう!がんばれあ か牛!」「地域に根ざしたあか牛振興!」「守ろう我らの大地をあか牛で!」の 大会スローガンのもと、島内生産者を含め、関係者約250名が参加した。 各地域からの情勢報告をはじめ、宮崎県農業大学校黒木法晴講師による特別講 演「家畜改良5原則」、宮崎大学原田宏教授による実際、牛を用いた超音波実習 等が行われた。 黒木講師の特別講演で教授された杉の粉くずと濃厚飼料を混合した繁殖用飼料 については、低コスト生産と未利用資源の有効利用ができることから、島内生産 者から大きな関心が寄せられた。 また、原田教授の超音波診断では、豊玉町の生産者が飼養する繁殖雌牛「ゆめ の号」が非常に高い脂肪交雑を保有していることが判明した。今後の産子の成績 が期待される。 今回の大会は、あか牛の特性を生かしたさらなる低コスト生産の工夫、繁殖お よび肥育農家が共有できる生産性と所得の向上について、参加者一同が再考する 契機となった。 現在、高齢化・担い手不足についての対策が緊急の課題ではあるが、生産現場 ですぐに応用できる低コスト生産技術等を取り入れることは、条件不利地域の肉 用牛生産を飛躍させる突破口になるものと思われる。
【守ろう我らの大地をあか牛で!】 |