11月−82,604トン(3.9%)
・と畜頭数の増加等から前年同月をやや上回る。
・と畜頭数は、1,541千頭(3.4%)。11年度の累計では、1.7%減少。
・平均枝肉重量(全国平均)は、76.6kg/頭(0.4%)と3カ月ぶりに前年同月を
上回る。
肉豚生産出荷予測
資料:農林水産省畜産局「肉豚生産出荷予測」(平成11年12月28日公表)
11月−49,371トン(▲6.5%)
・冷蔵品は、16,661トン(33.4%)と前年同月を大幅に上回る。
・冷凍品は、32,698トン(▲18.9%)。
11月の米国産−15,746トン(5.5%)
・冷蔵品は、10,891トン(29.4%)と4カ月連続で前年同月を上回る。
・冷凍品は、4,844トン(▲25.5%)と、7カ月連続で前年同月を下回る。
デンマーク産−9,602トン(▲28.8%)
・現地在庫の減少等を受けて8月から減少し、前年同月を大幅に下回る。
・冷凍品全体に占める割合は、29.4%に減少。
11月−136,783トン(5.1%)
・11年度累計では、2.3%増加。
・国産品は、82,206トン(1.8%)と4カ月ぶりで前年同月を上回る。
・輸入品は、54,578トン(10.5%)と5カ月連続で前年同月を上回る。
11月−415g/人(0.1%)
・3カ月ぶりに前年同月を上回る。
10月の加工仕向肉量−35,707トン(▲2.1%)
・国産品は、8,961トン(▲10.5%)と14カ月連続で前年同月を下回る。輸入品は、
26,746トン(1.1%)。
11月−65,023トン(▲18.1%)
・輸入品在庫は、48,269トン(▲26.7%)と7月の8万4千トンをピークに減少。2
カ月連続で前年同月を下回る。
・国産品在庫は、4カ月連続で前年同月を大幅に上回る。
11月−346円/kg(▲11.7%)
・消費の低迷や米国産冷蔵品ロースの増加等から、おおむね安定基準価格(370
円/kg)を下回って推移した。
12月(速報値)−370円/kg(▲11.1%)
・13日から調整保管の実施が決まり全農等が買い入れを行なったものの、年末・
年始の需要も極めて弱く引き続き低迷を続けた。
11月 冷凍品「うで」−373円(▲9.9%)
同 「もも」−395円(▲8.8%)
・うでは、前月よりも値を下げた。10年10月を除くと、10年3月以降前年同月を
下回って推移。
・ももは、前月よりも値を下げた。8年10月以降、前年同月を下回って推移。
11月 米国産「ロース」−601円/kg(▲9.9%)
・9年10月以降、前年同月を下回って推移。
・米国産ヒレも9年10月以降前年同月を下回って推移。
11月デンマーク産「ばら」−484円/kg(▲6.6%)
・9年11月以降、前年同月を下回って推移。
・冷凍品は、かたロース、うで、ももも前年同月を下回って推移。
・冷凍品ロースは、各国産ともに前年を上回って推移。米国産は、617円/kgと
同国産冷蔵品ロースよりも価格が高くなっている。
豚肉の需給を取り巻く情勢
消費者の購買動向と仲間相場などから
昨年10月から豚肉卸売価格は低迷し、12月には調整保管が実施されることにな
った。この理由として、消費の低迷や米国産冷蔵品豚肉の輸入量の増加等があげ
られる。
農畜産業振興事業団が食肉の小売動向を調査しているPOS情報(日経ポス情報
により全国主要6地区(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡及びそれぞれの
周辺地区の計16量販店)について集計)によると、食肉全体(牛肉、豚肉、鶏肉)
の購買数量は、11年度平均(12月までの平均、以下同じ。)で77.4kg/1,000人
(▲3.4%)と減少傾向が続いている。
豚肉についてみると購買量全体は減少しているが、国産品(豚肉全体の約9割
のシェア)は、11年度平均で30.9kg/1,000人(▲1.8%) と伸び悩み、11年10月
を除くと8年12月以降は前年同月を下回って推移している。輸入品(豚肉全体の
約1割のシェア)は、3.8kg/1,000人(6.0%)と増加し、おおむね前年同月を上
回って推移している(図11、12)。
部位別購買数量を見ると、11年度平均でロースは7.4kg/1,000人(▲8.2%)と
減少し、8年以降は11年2月を除いて前年同月を下回って推移している(図14)。
ももは6.5kg/1,000人(1.1%)、かたは2.3kg/1,000人(13.7%)、ばらは6.2kg
/1,000人(6.3%)となり、月ごとに増減はあるものの、おおむね前年同月を上
回って推移している(図14)。
大手量販店のバイヤーの話では、豚肉の取扱いは国産品が中心で、部位別には、
ロース中心から、価格が安く汎用性の高いばら、うで、ももが増えて、消費者の
購買は、低価格志向にある。
冷蔵品豚肉の輸入量は、米国産、カナダ産、韓国産ともに増加傾向にあり、11
年度累計では、19.7%の増加となっている(図15)。
輸入豚肉の仲間相場をみると、米国産冷蔵品豚肉は円高の中での輸入量の増加
等から価格が低下し、11月は、冷蔵品ロースが601円/kgに対し通常なら価格の
安い冷凍品が617円/kgと逆転している。また、デンマーク産冷凍品ヒレは、現
地価格の上昇等を受けて、10月から上昇し11月は834円/kgとなり、米国産冷蔵
品ヒレの750円/kg、米国産冷凍品ヒレの810円/kgを超えている(図16、17)。
量販店では販売計画に基づき、輸入冷蔵品の発注を販売の1カ月半程度前に行
う。11年は9月に入っても、豚肉卸売価格が堅調に推移していたため、このまま
続くのではないかとの見方から輸入品の発注が増えたようである。秋から豚肉卸
売価格が下がっても、量販店が急に販売計画を変更して、国産を買い入れること
はできないという。
従来は、生産量と冷蔵品輸入量の増加が国内卸売価格の低迷の要因であったが、
最近は量だけでなく価格や質が卸売価格に与える影響が大きくなっているようで
ある(図18)。
消費が低迷する中で、安価な米国産冷蔵品の出回り量の増加から卸売価格は依
然、低迷している。
元のページに戻る
月報「畜産の情報(国内編)の目次に戻る