鶏 肉

鶏 肉



◇図1:鶏肉の生産量◇

11月−102,687トン(1.1%)

・需要の低迷から、17カ月ぶりに上回る。 

ブロイラー用ひなえ付け羽数−48,025千羽(▲0.3%)

・毎年え付けが減少する時期であり、前月に比べ、かなり減少したが、前年同月
 並み。

・農林水産省統計情報部のひな出荷見通しでは、前年同月比で、12月▲3%、12
 年1月▲3%、2月0%(12月上旬聞き取り)。


◇図2:鶏肉の輸入量◇

12月ー53,260トン(14.3%)

・輸入価格の低下等から、引き続き前年同月をかなり上回る。

・中国産は2カ月連続で上回り18,904トン(5.3%)。うち冷蔵品は1,494トン(14
 .6%)と13カ月連続で上回る。

・米国産は9カ月ぶりに1万トンを上回り10,681トン(1.0%)。

・タイ産は引き続き増加傾向で推移し、12,332トン(16.9%)。

・ブラジル産はレアル下落による影響から、11,190トン(64.2%)と引き続き大
 幅に増加。

鶏肉の調製品輸入量−11,978トン(40.3%)

・特に米国産が増加したことから、大幅に上回る。


◇図3:鶏肉の推定出回り量◇

11月−155,777トン(5.4%)

・輸入品の増加から前年同月をやや上回る。

・国産品は、生産量が前月を上回ったにも関わらず、引き続き減少傾向で推移し、
 98,389トン(▲7.1%)。

・輸入品は、輸入量の増加等から前年同月を大幅に上回り、57,388トン(36.8%)。

・家計消費量は、前年同月並みの303g/人(0.3%)。


◇図4:鶏肉の推定期末在庫量◇

11月−106,809トン(14.5%)

・国産品は、10年12月を底に増加し、11年5月以降2万トン台で推移。10月はさら
 に積み増し26,579トン(70.5%)。

・輸入品は、輸入量の増加から、引き続き前年同月を上回ったが、前月よりも約
 4千トン減少し、80,230トン(3.3%)。

・在庫全体では、11年5月以降、前年同月を上回って推移。


◇図5:国産鶏肉の卸売価格(東京)◇

11月−もも肉609円/kg(▲9.8%)

・需要の減少や前年同月が高水準だったこと等から前年同月を4カ月連続で下回る。

   むね肉210円/kg(▲28.1%)

・輸入量の増加等の影響を受け、6カ月連続で前年同月を下回る。

12月−もも肉646円/kg(▲6.6%)

・需要の減少等から8月以降前年同月を下回って推移。


◇図6:輸入鶏肉の卸売価格◇

11月−中国産もも肉271円/kg(▲27.0%)

・輸入価格の低下等から、5月以降、前年同月を下回って推移。	  

   米国産骨付きもも肉226円/kg(▲19.6%)

・輸入量全体の増加等から、6カ月連続で前年同月を下回る。


トピックス

卸売価格の低迷続く


◇図7:鶏肉の卸売価格の推移(国産、輸入)◇

◇図8:国産鶏肉の生産量、在庫量及び推定出回り量の推移(対前年増減率)◇

 国産鶏肉の卸売価格の低迷が続いている。特にむね肉については、12月211円
/kg(▲29.2%、速報値)と7カ月連続で大幅に低下している。

 鶏肉の輸入量は、輸入価格の低下に伴い11年度累計で377,878トン(10.2%)と
かなり増加している。特にブラジル産は通貨レアルの下落から輸出競争力を増し
ており、11年度累計で69,396トン(48.7%)と大幅に増加。タイ産、中国産、米
国産もブラジル産の価格の低下に伴い、輸出価格を低下させている。輸入鶏肉の
卸売価格も大幅に低下しており、業務用を中心にシェアを拡大しているとみられ
る。輸入鶏肉の推定出回り量は、11年度累計で374,145トン(9.0%)とかなり増
加。

 一方国産鶏肉の推定出回り量は11年度累計で776,570トン(▲3.6%)と生産量
の減を上回って減少している。その結果11月現在の推定期末在庫量は26,579トン
(70.5%)と前年同月を大幅に上回って積み増している。   

 もも肉に比べ需要の弱いむね肉は、特に荷余り感が強く、今後も相場は弱含み
で推移することが予想される。

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