愛媛県/中谷 哲哉
本県では年末の恒例行事となっている愛媛県農業協同組合連合会主催の牛枝肉 見本市共励会が、平成11年12月11日に大洲市の県農えひめアイパックス(株)大 洲工場で盛大に開催された。 当共励会は、愛媛県総合畜産共進会と並ぶ本県畜産業界最大のイベントであり、 県内の肉牛農家を中心に畜産関係者が一堂に会し、家畜改良はもとより畜産農家 の技術研鑽と情報交換の場として定着している。 今回で38回を迎えた当共励会は、昭和44年度までは、阪神地方の消費地市場で 開催されていた歴史があるが、肉牛の枝肉流通や産地食肉センターの近代化等も 相まって、45年度より会場を県内に移し現在に至っている。 この共励会には、毎年、阪神地方の食肉業者及び荷受業者等も招き、年の暮の 大市となることから、農家の出品意欲も旺盛で毎年出品調整に苦労するほどの盛 況ぶりである。 さて、今年度の成績であるが、第1部(黒毛和種去勢牛)では上物率(4等級 以上)が82%、第2部(乳用種去勢牛)では同じく3等級以上が60%と、肉質につ いては非常に良い成績であった。一方、枝肉セリ価格は第1部平均1,962円/kg、 第2部平均775円/kgと伸び悩み、近年の景気低迷を反映するものであったが、第 1部の最高位賞を受賞した後藤栄一氏(大洲市)の出品牛は4,100円/kgとなり、 昨年の最高値4,000円/kgを上回り、セリ会場を活気づかせた。 さらに、第1部出品牛50頭のうち県内産牛が21頭を占めていたが、11頭が5等級 に格付けされるとともに、最高位賞はもとより上位5頭に3頭がくい込むなど県内 産の健闘が目立った。 本県においても、平成14年度の第9回全国和牛能力共進会に向けての準備が始 まったところであるが、この取り組みの弾みとなった見本市共励会であった。
【活気に満ちたセリ風景】 |
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【高値を期待し見守る生産者の熱い視線】 |