大分県/河野 宣彦
豊後牛の名声を全国に広めた大分県畜産試験場(大分県直入郡久住町)のスーパ ー種雄牛「糸福」のこれまでの功績をたたえるため、等身大の銅像が試験場本館 前に完成し、平成12年8月5日、その除幕式が盛大に開催された。 糸福は昭和58年11月18日に玖珠町の麻生正直氏の所有の「第6ふくしげ」から 誕生した。「糸福」という名前は、当初「糸茂」であったが、「福が来るように」 との願いから、「糸福」として登記された。 糸福の産子は、発育良好で斉一性、産肉性に富み、各地の枝肉共励会で優秀な 成績を収めており、子牛市場や食肉市場において県内外の購買者にも高い評価を 得てきた。糸福が種雄牛として供用開始以来今日まで供給した精液は約7万6千本 を数え、3万7千頭が登記され、子牛販売額の総額は138億7千万円に達している。 また、多くの娘牛が繁殖基礎雌牛として県内の生産農家に保留されるとともに、 秀福をはじめとする息牛が基幹種雄牛として活躍しているところである。 このように、大分県の肉用牛改良及び畜産振興の歴史の中で特筆すべき実績を 残し、全国に豊後牛の銘柄を知らしめた。その偉大な功績を、糸福(本年11月で 満16歳)が生存中に讃え、その名を後世に残そうと、県内の和牛関係者らで結成 した「糸福顕彰実行委員会」が県の補助金や協賛金を募って糸福の全盛期の雄姿 の銅像を造った。
【糸福の等身大銅像】 |
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【全盛期の糸福号】 |