京都府/今峰 謙
京都府養鶏協議会(採卵養鶏生産者の団体)は、平成13年1月26日、京都市内 で一般消費者を対象に、鶏卵に対する正しい知識と理解を深め、鶏卵の消費拡大 につなげることを目的に「あなたの健康とたまご料理」講演会を開催した。 講演会の開催に先立ち、新聞社やラジオ等マスコミの協力を得て一般府民への 参加を呼びかける一方、オピニオンリーダーとなる医師、栄養士のもとにも足を 運び参加を要請した。その結果、会場の都合で抽選により約500名に絞らざるを 得ないほど大きな反響を呼んだ。 医療情報開発研究所代表で東邦大学医学部名誉教授の長谷川元治氏は「日本人 の食生活とコレステロール」と題して、「コレステロールは動脈硬化や生活習慣 病の元凶ではなく、むしろ血清中のコレステロール値が高い高齢者の方が生存率 が高い」ことなどコレステロールの有益性について説明。さらに、「日本人のた んぱく質と脂肪の摂取量は、世界保健機構の基準よりも少なく、これからの高齢 化社会を健康で過ごすには、摂取量を増やす必要があり、少量で質の高いたんぱ く質や脂肪を摂取するには卵が適した食品であり、1日に2個食べることで不足を 補える」と卵の優れた点を強調した。 続いて、大和学園京都調理師専門学校教務部長の仲田雅博氏が、「かんたん! おいしい!卵料理のコツ」をテーマに、半熟卵、温泉卵、茶わん蒸し、卵豆腐う まだし振り柚子など、卵白と卵黄の固まる温度の違いを利用した料理を紹介した。 卵は100℃以下で十分凝固することから火加減が大切なことやおいしいだしの取 り方など卵料理がおいしくなるちょっとしたコツを伝授した。 会場の「高脂血症の人は、卵を控えた方がよいのか。」との質問に対しては、 「卵を控えるより、運動をする方がよい。」と、運動の取り入れ方についても具 体的な紹介があった。参加者は、最後まで熱心で、卵に対するこれまでの誤解を 解き、正しい知識、新しい知識について理解を深めるなど、健康に対する消費者 の関心の高さがうかがわれる講演会となった。
【健康に対する消費者の関心は高い】 |